前書きという名の説明
『はなつばさ隊』
それは従兄弟同士である天野家・町丘家、それぞれ一男二女の兄弟の六人で結成された組織。漢字では華翼隊と書く。この六人の子供達、人も助ければ喧嘩もし気ままに振る舞う。つまり子供が気まぐれで思い付いただけの組織だ。
名の由来は彼らの本家、町丘氏の家紋が花と鳥の羽を表していることから。町丘氏は戦国時代、下級の武家であった。その家は代々義賊の家系でそしてスパイ稼業をしていた。現在ではやくざという形で裏の世界で働いている。六人の父母達がそうだ。
六人の中で一番の年上で活発な少女・リツコは言った。
「私達も先代達みたいに暴れてやろうよ!」
六人はまだ先代達が何をしていたかは知らない。まだ子供で何も聞かされていないのだ。
「先代達みたいに金持ちから盗んだもの色んな人にばらまいたり、戦ったり私達だってきっと出来るもん!私達六人なら誰にだって負けないもん!」
暴れてやろう。誰のためでもなくただ自分達を見せつけるために、意味なら後から考えればいい。団員揃えばなんでもやるよ。
はなつばさ隊。子供達が作った組織。ただそれだけさ。
「お待たせ!大将のリツコだよ!」
「怖い者知らずのタケオ様だぜっ!」
「いつも冴えてるサエコだよ!」
「賢い弥生が通ります」
「天真爛漫の優蘭だい!」
「可愛い乙女の百合菜です」