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怪異の兆し
「今日はご近所に挨拶回りをしたのだけれど、どの家もお年寄りばかりなのよ」
そうだろうな、何しろ小学校がああいう状態なのだから。
「あれ、お客さんだったの」
「挨拶に行った人が散歩のついでに寄ってくれたのよ」
「ふーん。俺も友達できたんだよ。明日あたり遊びに来るかもしれない」
「よかったね」
「それよりさ、父ちゃんはいつ帰って来るの。お盆休みにはどこかに行きたいよ」
「それがね、今週末には帰ると言っていたのだけれど。前任者の病状が悪化して入院したとかで」
何だか変だよな。何だか最悪の夏休みになりそうだよ、猫は逃げるし。
「晩御飯にしましょう」
「母ちゃん今日のご飯ヘルシー過ぎない。この茶色いやつは何なのだよ」
「きんぴらごぼうだけど」
「そんなものわざわざコンビニで買ってこないでよ」
「私が作ったのよ」
どうもおかしい。そんな家事能力はないはずだ。
夜おじいちゃんに電話した。
「明日あたり遊びに来てよ」
「明日はバス旅行の招待券が当たってな。最近やたらとそういう美味しい話が多いのだよ」
何か変。