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1、星降る丘

久し振りのちゃんとした連載作品になるかと思います。一話ごとの文字数は少なめですが、良かったらよろしくお願いします!

 女は、目覚めた。


「・・・・・・ここは、どこ」


 女は地面に寝転がっているのだった。

 その場からゆっくりと立ち上がる。見たところ体に異常はなく、どこにも不調はなさそうだった。

 周囲は夜の帳に覆われ、街灯もなく、そこには小高い丘があるのみ。静寂が女に孤独を与える。


「そもそも・・・・・・私は、誰?」


 そう問いかけた時、頭上できらきらと瞬いていた星の一つが、 後ろに長い光の尾を引いて、女に迫ってくるように見えた。


 女は突然のことに驚き、その場を動くことができなかった。

 腕で光から目を守ったその次の瞬間、凄まじい光と共に、星が女に衝突した。


「流れ星・・・・・・なの?」


 女は目元を腕で拭った。目から一筋の涙をこぼしていたのだ。ゆるゆると、瞼を上げる。

 と、女の脳裏にある光景がよぎった。



♪.:*:'゜☆.:*:'゜♪.:*:'゜☆.:*:・'゜♪.:*:・'゜☆.:*:・'゜♪.:*:



『お父さん、流れ星!』


 小高い丘に腰を下ろし、空を見上げる二つの大小異なる影。


『綺麗だな・・・・・・また、見に来ような』

『うん、絶対だよ!』


 星空はどこまでも、どこまでも、広がっていた。星は宝石のようで、とても綺麗だった。

 寄り添い合う父の温もりと父の匂い。幼い頃の女は安心感に包まれた。


 いつものように、女は父と手を繋いで歩くことになる。



♪.:*:'゜☆.:*:'゜♪.:*:'゜☆.:*:・'゜♪.:*:・'゜☆.:*:・'゜♪.:*:



 女は頭を手で支える。


(眩暈がする)


 何に対してなのか分からないけれど、とてつもなく違和感を感じる、と女は思った。

 女は近くにある川で、顔を覗き込む。


「これが、私の顔なのね」


 整った美しい顔と、流れ落ちる白い髪、澄み切った青い瞳の女であった。

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