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心の在りどころ

作者: 風邪薬

私は1人、立ち尽くしていた。

自分の周りには誰もいない。それは何故だろう。答えは簡単だ。私が一般的な人から好かれない性格だからだろう。

この場合の一般的な人というのはとても非現実的で楽観的。まさに勝ち組的思考だ。

「学校で教科書を忘れた」

「誰かから借りよう」

「次のテストで赤点を取ってしまいそうだ」「誰かに教えてもらおう」

そう考えられるような人が、私としては勝ち組なのだ。

さながら私は負け組だ。勉強など元々出来養い。その上、周りの人間は勝ち組だ。その事によりますます私の負け組さが際立つのだ。そして私の心にじわじわと蝕んでいく毒。いや、ナイフとでも言おうか。鋭くもあるすぐには壊さず削るようにじっくりと壊していくタチの悪いモノだ。

苦しい。だが心地良くもあるのだ。このまま狂って無意識に陥った方が楽なのかもしれないか。その暗闇の中でぼんやりと輝く死という熟れた果実を口にするのも良いのでは、と。それでは生まれてきた意味がないという人もいるだろう。だが、そもそも意味なんてあるだろうか。昔、先生にこんな事を言われた事がある。

「産まれた意味など、生まれた後に決めるモノだ」

確かにそうなのかもしれない。だが、私はそれを見つける事が出来なかった。多くの人がが生きたいと思える事を幸せと感じる事の少ないこのご時世。私のような見つけられなかった人は理解されないのかもしれない。

悲情で非情な私。非常に残念ながら私は一つの灯火も見つける事が出来なかった。

心の中で冷たい何かが広がっていくのを感じる。

心。それは脳?それとも心臓?はたまた目?もしかして手足?

それとも身体全体なのか?

心の在りどころはどこにでもある。どこかを怪我すれば痛くて泣いてしまう事もあるだろう。悲しい光景を目にして落ち込んでしまうかもしれない。耳を塞ぎたくなるような心無い言葉を受けて傷ついてしまうかもしれない。

心は貴方自身だ。貴方以外の誰でもないし、貴方のモノだ。どう使うかは自由だろう。痛みは心のサイレン。怪我のケアの方法は知っていても心はそうもいかない。だから、ゆっくり休みながら確実に強くなっていかなければならない。

私は口先だけは達者だ。正しいと信じている。だから私は私でいる事を望む。


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