第三話 メイナー家とユネース大陸
三歳になった。
ほとんどの言葉が理解できるようになって、尚且つ普通に歩き回れるように
なった俺は、いろいろ情報を集めてみた。
取りあえず一番驚いたのが、
この世界は地球ではないぽいと言う事。もしかしたらものすごく時間が経過した
地球なのかもいれないが、聞いた限り、国もなにもかもがが全く知らない物ばかりだった。
その極めつけが、魔法の存在だ。
なんとこの世界には魔法が存在しているんですよ奥さん!
ふう、ちょっと興奮しちゃったぜすまん。
でも、異世界、転生、魔法の三大キーワードが揃ってしまえば
興奮するなというのが無理な話だ。オラ興奮しっぱなしだぞ!
まあほとんどの人が使えても生活がちょっと便利になる程度らしいので
どうなるか分からないけどね。
神様がチートをくれた記憶もないしな... もしかしたら実はものすごい
魔法の才能がこの体に秘められてる、なんてなってればいいのになぁ、頼むぜ神様!
ただ、生活水準を見るに、まだまだ前世の日本と比べると全然発達して
なさそうなので、知識チートには期待できそうである。今必死に使えそうな
知識を思い出している所だ。まあたいしてないんだけどね。
さて、俺の新たなる家族も紹介しておこう。
今住んでいる国は王政のようで、王族と前世でいう貴族様によって
治められている。
そして、俺のお父様はなんと、その貴族様なのだ!ぱちぱちー
でも聞いた感じ所謂下級貴族っぽくて、そこまでたいしたもんではないみたいだけどね
父 デンゼル・メイナー(階級は男爵らしいので、メイナー男爵となる)
母 ティーア・メイナー(つり目美人さん、最初きつそうな印象だったが、実はおっとりした優しいお母様だった)
執事 セバンス(いろいろ頑張ってるおじいちゃん)
メイド オルナ(最初に会ったお姉さん。まだ十代?)
メイド ヒリア(おもに料理担当の人。オカンな感じの人。料理うまし)
俺 クロエルド・メイナー(子供はまだ俺だけらしい)
この六人が俺の愛すべき家族たちだ。
後、じーちゃんとばーちゃんも健在なのだが、父に爵位を譲った後は
メイナー家所有の別荘に本格的に移り住んでしまい、夫婦+じっちゃんが現役の頃から
仕えてくれているメイドさんと3人のんびり暮らしている。一度俺に会いに来てくれた。
大きくなったらこっちから遊びに行く予定だ。
さて、いつものように遊んでくれそうな人を探して
屋敷を彷徨いていたら、母がのんびりとお茶をしてたのでからんでみた。
「お母様、よかったらご本読んで下さい!」
「あらクロエ、今日は何を読んでほしいの?」
喋るのは問題ないが、読み書きの方がまだまだな俺は、勉強がてらよく母やオルナに
本を読んで貰って過ごすことが多い。この世界の事も分かってくるし一石二鳥だ。
「ん~今日は、、」
母の膝にのせられ、ほっぺをぷにぷにされつつ考えていると、ふと父の事が浮かんだ。
「そういえばお母様、お父様はいつもどこにいっているのですか?」
聞いた後に、他の女のところに、なんて話になったらどうしようと一瞬後悔したが、
「ん、デンゼルはね 近くの国境砦の警備についてるのよ」
疑ってごめんよパパン
「そうなのですか!よければお父様の事を聞かせてください!」
なんとなく国境という言葉が気になって、父の仕事とかについて
聞いて見ることにした。俺の将来にも関わりそうだし。
「あら!デンゼルが聞いたら喜ぶわね、ふふふ あの人、最近クロエに構えなくて淋しがってるのよ」
そういいながら、母はゆっくりと父の事を嬉しそうに語り出した。
俺の住むこの大陸は、ユネース大陸と言われる大陸で、
北のジャルガナ獣王国
南東のアーセナル王国
南西のフォッツ王国
この三つの国が三大王国といわれ、歴史も長いそうだ。
「獣王国ですか?獣みたいな人が王様なのですか?」
「獣みたいというか、獣人族の国ね。クロエはまだ獣人族の人は見たことないわねえそういえば」
おお!いるのか獣人!ネコミミは正義ですよねー
「会ってみたいです。獣人族!」
「街に出れば結構いるから、クロエが出られるようになったらすぐ会えるわよ。
でも、いきなり抱きついたり失礼な事しちゃだめよ~」
「はい!あ、すいません話の途中に」
「ふふ、でね、その三大王国と、今は中央にモリペンド帝国というのができてるのよ」
その三大王国はほどほどの良くも悪くもない中、均衡を保っていた。
そして、大陸の中央は覇権を争ういくつもの小国によって常に戦争状態だったのだが、
その中の一つ、モリペンド公国がこの数十年で他をどんどんと併合していき、
ついには中央の小国を全て併呑しモリペンド帝国と名を変え、4つ目の大国として君臨し今に至るらしい。
そして、今は南の二国と睨み合いつつも、北の獣王国と争っているらしい。
戦争ジャンキーだな、全く持って困ったちゃんな国である。
長年戦争ばっかやってる国なので、兵は当然屈強で、疲弊しつつも中央の肥沃な土地による恩恵に
より衰え知らず。
迂闊に手も出せないので、外交で押さえようと頑張っているらしいが芳しくないのだとか。
「この国も戦争になるのでしょうか?」
「大丈夫よ!北の戦争も今すぐどうこうっていうわけでも無いみたいだし、
その辺は大国間でも話し合っているってデンゼルはいってたわねぇ」
うーん、三大王国で連合してぶっ潰すとかできないのだろうか。
「でも、北の獣王国は基本不干渉のスタンスらしいし、アーセナルとフォッツも
元々国交はあったけど、そこまで仲が良かったわけでもないの」
ふうむ、大国ともなると難しいのかね。前世も平和とはいえ、核を抑止力にしてたくらいだしなあ。
「だから、国境砦での争いとかはないんだけど、不法入国の取り締まりとかもあるし、
一応不穏な動きがないかの監視も怠れないから、なかなか戻ってこれないけど、心配はないわ」
「そうですか、やっぱり心配だけどよかったです!早く大きくなって魔法とか覚えてお父様のお役に立ちたいです。」
さりげなくよいこアピール。これで誕生日プレゼントの中身はストップ高だぜ。
「まあ、頼もしいわね でもまだ魔力回路はさすがに開かないでしょうねぇ 早い子は8歳くらいで開くそうだけど」
そうなのだ。魔法はとりあえず体内にあるとされる、魔力袋と魔力回路という器官が発達しないと使えないのだ。
これは個人差がかなりあるらしく、早い子で母のいうように8歳くらい(これは相当稀で、ほとんどが10歳前後以降なのだとか)から、遅い子で15歳くらいでようやく開く子もいるそうだ。
体のどこかにある、魔力の入った袋のような物が体の成長とともに膨らんでいき、
一定以上膨らむと体に魔力が循環するようになり、
そうなると自然と分かるようになるらしい。そのダムを開けたように、さーっと魔力が循環する感じから、袋が開いた、回路が開いた、と言い回すのだ。
ただ、その魔力袋と魔力回路いうのもイメージの話しであり、実際腑分けしてもそれに該当する内臓は存在せず
その辺はまだまだ謎に包まれているのだとか。
ちなみに15歳をこえても開かなかった子はその後はほぼ開くことなく一生を終えるそうだ。ガクブルダゼェ
「デンゼルは優秀な気術の使い手だし、私もちょっとは使えるし、きっとクロエも使えるようになるわ。楽しみね」
「はい!」
気術というのは身体を強化する魔法術で、すべての基本になる物らしい。
まずはこれを最低限使えないとだめなんだとか。極めていくと素手で岩を砕いたり
しちゃうらしい。通背拳とかできちゃうのか。渦潮に飛び込む勇気はないが。
家のパパンはどのくらいなのか、見せて貰うのが今から楽しみだ。
「ん、難しい話は終わりにしましょ!オルナ~、紅茶とお菓子お願いね」
「かしこまりました奥様」
うお!いつのまにいたんだオルナさん、もしやメイド兼シノビだったりするんですか。
なんて考えてると、こちらをちらっと見てニヤリとされた。心も読めちゃうんですかオルナさん。謎だ。
この後、母とおやつを楽しみつつ「アーセナル王の冒険」という、アーセナル初代国王の様々な
冒険を書いた本(めちゃめちゃ盛ってる臭いが、わりと土地の事や風習等が書かれていて面白い)
を読んで貰ってる途中で寝てしまったようで、夕方まで眠りこけていた。平和だ。
そしてパパンは今日も国境砦にてお泊まり会らしい。ガンバレパパン!おやすみなさい!
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