第二話 お約束のアレ
目覚めると、知らない天井が目に入った。
「知らない天井だ...」
とりあえずつぶやいて... みようとしたがうまく声が出ない?
起きあがろうとしたが体もうまく動かない、ついでに視界もぼんやりしている
ちっ なんなんだよ
...ええっと、俺どうしてたんだっけ?
そういえば鉄骨さんに激突されたんだっけか...... 生きてるってことは助かったのか?
で、入院中で、まだ体が動かせない状態なのか...
なんてぼんやり整理してると、強烈な眠気がおそってきた。
まあよく分からんけど、取りあえず助かったみたいだしもう少し寝るか、うん。
襲ってきそうな今後への不安を押し止め、俺は二度目の睡眠に突入したのだった。
ーーー
結論からいうと、俺は助かったわけではなく、やっぱり死んじまったらしい。
あれからまた目が覚めると、かなりすっきりした気分になったのだが、やっぱり
体はうまく動かせないし視界はぼんやりするし声もうまく出せず、うぁーうぁーと
言葉にもならない声を出していると、突然抱き上げられた。
見ると、優しそうな雰囲気の白人のお姉さんが、俺の顔をのぞき込んでいた。
「ーーー・--・----・-・」
、、何語?え?外人さん?ってかなんで軽々抱き抱えられるの?なんなの?進撃の巨人なの?
と、軽くパニックになってると、またも進撃のお姉さんが何かささやいている。
ってか、ほんとにでかい。
無理やり首を動かして周りを見ると、なにもかもがでかかった。 ......訳ではなく、
俺が小さくなっていった。っていうか赤ちゃんだった。ワーオ
丁度視界に入った鏡にうつった赤ちゃんと目が合い、それが自分なのだと気づいた時のショックはなかなかの物だったぜぇ...
そうこうしているうちに、動かなくなった俺を見て安心したのか、ベッドに戻され
頭を撫でられた。子供扱いは困るぜ姉さん まあ赤ちゃんだけど。
なぜ死んだはずの俺が赤ちゃんに姿を変え、頭を撫でられているのか。
感覚からして、夢とも思えない。つまり...
これはもしかして、
いや、
うん。
これはあれだ、転生ってやつだね...!
ーーー
一年が過ぎた。
あれから、なんとかハイハイで動き回れるようになった俺は、家の中をうろちょろと見て回ったが、この家はけっこうなお金持ちのようだ。やったぜ姉さん明日もホームランだ!
そういえば、最初に出会ったお姉さんは、母親ではなく
この家のメイドさんだった。
あれから俺は空腹を感じて、でも言葉もしゃべれないし涙腺ゆるいしで、
とりあえずゴハンクレー的な泣き声を(あくまで俺の気分的にだが)上げてみた所、お姉さんは、何かささやいた後どっかへいってしまった。
通じなかったか、、と思ってたら新たな女性を連れてきた。
なんか直感で分かった。ああ、この人がお母さんだなってね。
金髪のゴージャスヘアーに少しつり目の深いブルーの瞳で、
いつか見たフランス映画の女優さんみたいな人だった。
これは俺の将来のルックスも期待できそうである
そして、わかってますよと言わんばかりに俺を抱きかかえ、ぽろんと
素敵おっぱいを出してきた。
おおう、いけねえぜお姉さん...!
と、普通ならうろたえちゃう所だが、不思議といやらしい気持ちにも全くならず、
普通におっぱいをおいしく頂きました。やっぱ体が親だって分かってるのかね。
ちなみにおっぱいの味はほんとにおいしかった 赤ちゃんだと美味しく感じるんだな。
まあそうじゃないとのまねーか
後、俺の名前はクロエっていうらしい。
え?まさかのTSってやつっすか?と思わず股間を確かめてみたが、ちゃんと
小さいなりにも立派な息子さんが鎮座されておられた。
まあ、クロエってどっちでもいけそうな感じだし、なれるとなんか気に入ってしまった。
いいじゃん クロエ。
まあその後、父親らしき人が、
「・-クロエルド・--・-」
って言ってたので、正式にはクロエルド、愛称がクロエって事だと分かったけどね!
ともあれ、こうして俺は第二の人生?を歩む事になったようだ。