表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/27

鯉は恋をした-21-

 ◇ft.水地茂


 茂は湖に続く林を抜けるとポケットから黒い携帯を取り出した。


 ――プルルル…プルルル…。


「はい」

「私だ。今、確かめて来たところだ。あそこには確かに人魚がいる」

「そうですか。それで、その根拠はなんでしょう?」

「根拠?……ただの勘だよ。ふふっ」


 電話の男は溜め息を吐くとやれやれ…と言った風に話しを続ける。


「勘、ですか…貴方の勘は酷く当たりますからね。…わかりました。迎えは寄越しますか?」

「いや、大丈夫だ。俺も直ぐそっちに向かう。それと、捕獲の準備を進めておけ。楽しい狩の始まりだ」


 茂は電話を切り、夜空に浮かぶ月を見上げる。月は、恐れなど知らないように煌々と夜の闇に光を灯していた。


「さぁ、君はどう立ち向かうのかな?人魚姫の愛しい王子様……」


 ニヤリと笑った茂は眼鏡を上げ、車に乗り込みむとエンジンを吹かし車を走らせる。後に残ったのは、走る音の余韻と車から出る煙だけだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ