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鯉は恋をした-15-

 ◇ft.雫


 雫は今日も海渡と一緒に歌を歌う。けれど、海渡の傍で顔を出す勇気はまだ無かった。

 それでも、海渡と歌う毎日は幸せで胸がいっぱいだった。

 すると、雫の背中を突つく小魚達が雫に言った。


「ねぇ、雫。今日も顔を出さないの?」

「…うん」

「どうして?」

「あの人は、ずっと、雫を待っているよ?」

「でも、怖いの…」

「きっと、あの人なら大丈夫!」

「確かに人間は怖い生き物だけど、あの人は他と違うよね?」


 一匹の小魚がそう言うと、周りの魚達も同意するかのように頷き合う。


(……勇気。主様も言ってくれたわ。もっと、勇気を出しなさいと…!)


 雫はついに決心がついたのか小魚達に向かって頷く。その瞳には、もう怯えや恐怖という感情は無い。


「私、あの子の所に行くわ」

「やった!!」

「きっと大丈夫だよ!」


 雫は恐る恐る海渡の近くまで泳ぎ、水面からゆっくりと顔を出した。

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