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黄昏は悲しき堕天使達のシュプール  作者: Mr.M
二章 Renewal 5月
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第20話 オスマンサスの香り

気が付けばもうすぐ21時になろうとしていた。

奥川が本棚からアルバムを持ってきて

俺の隣に腰を下ろした。

オスマンサスの香りがした。

どくん。

彼女が写真の説明をしながら

アルバムを捲っていたが、

俺の頭は別のことを考えていた。

どくん。

俺はアイスコーヒーを飲んだ。

今の俺なら。

きっと。

グラスをテーブルに置いて、

俺は震える手をそっと奥川の肩に回した。

「えっ」

奥川が一瞬だけ体を強張らせたが、

抵抗はしなかった。

俺はそのまま彼女の体を抱き寄せた。

奥川は何も言わず俺の肩に頭を預けてきた。

どくん。

俺はしばらくそのまま時間の流れに身を任せた。

どくん。どくん。

奥川の鼓動が左肩から伝わってきた。

そしてそれ以上に

俺の心臓は激しく波打っていた。

緊張ではなく不安そして恐怖。

その時。

オスマンサスの香りに

僅かなコーヒーの香りがする

奥川の吐息が混じり合って

俺の思考を痺れさせた。

「奥川、キスしてもいいかな?」

「・・馬鹿」

俺はその小さな声が

「イエス」の意味であると解釈した。

俺は右手でそっと彼女の顎に触れた。

奥川は目を閉じていた。

長い睫毛に前髪がかかっていた。

俺は左手でそっと前髪を流して、

震える小さなピンクの唇に自分の唇を重ねた。

この前のキスよりも長い時間だった。


唇を離すと、

奥川が照れたように伏し目がちに俺を見た。

「奥川、部屋を暗くしようか」

「・・うん」

奥川が立ち上がって電気の紐を2回引いた。

小さな黄昏色の灯りだけが

部屋に残った唯一の光源になった。

俺も立ち上がって、

俺達はもう一度唇を重ねた。

それから俺は彼女の体を

ベッドの上に優しく寝かせた。

俺はベッドの上にあったTシャツと水色の下着を

軽く手で払って床へ落した。

「奥川、可愛いよ」

俺は彼女の耳元で囁いた。

「・・馬鹿」

先ほどの「馬鹿」よりもさらに小さな声だった。

俺はもう一度彼女の唇を奪った。

そして。

今度は唇の隙間からゆっくりと舌を入れた。

奥川は「んっ」と小さな声をあげたが

俺の舌を受け入れた。

舌を絡めたまま俺は彼女の胸に手を掛けた。

奥川の体が一瞬ビクッと震えた。

服の上から胸を弄っていると、

徐々に彼女の体から

力が抜けていくのがわかった。

俺は唇を離して、

ゆっくりと奥川の服を脱がせた。

彼女は抵抗しなかった。

下着に包まれて窮屈そうな胸が顔を覗かせた。

下着に手をかけると、

そこで初めて奥川は少しだけ抵抗した。

しかし。

その抵抗はあっけなく終わった。

成長途中とは思えないほどの、

大きな乳房が俺の目に飛び込んできた。

俺は無我夢中で

その乳房と乳房の間に顔を埋めた。

それから両手で乳房を揉みしだきながら、

ピンクの隆起した乳首を交互に口に含んだ。

そして舌を転がしてたっぷりと味わった。

時折、

奥川が恥ずしそうに「あっ」と吐息を漏らした。

この期に及んでも

俺の息子は人見知りを発動していた。

それでも先に進むしかなかった。

俺は勇気を出してショートパンツに手をかけた。

「まだ、ダメ」

すぐに奥川の手が俺を咎めた。

俺はホッとして

もう一度彼女の唇を奪った。

そして手は奥川の胸を揉みながら、

時折その乳首を弄った。

奥川は乳首が弱いのか、

その度に口を塞がれつつも甘美の声を漏らした。

俺はもう一度ショートパンツに手をかけた。

今度は若干強引に脱がそうとした。

しかし。

またしても阻まれた。

そしてそんな奥川の抵抗に

俺は少しだけ興奮した。

初めての感覚だった。

俺の愚息が少しだけ顔を上げた。

俺は抵抗する彼女の上に跨り

右手で両手を押さえつけた。

そして左手でショートパンツをはぎ取った。

「いやあぁぁ、だめぇぇ」

奥川の叫びが俺をより興奮させた。

薄い桃色の下着を下ろすと

薄っすらと生えた陰毛が見えた。

「やめてぇ、あっくん!」

その悲鳴に俺は我に返った。

俺は手を放して彼女の体から降りた。

そして彼女の体を起こして服を着せた。

「ごめん、奥川・・」

奥川は目尻をそっと拭った。

「本当にごめん。どうかしてたんだ」

俺はもう一度謝った。

「・・許さない」

ぽつりと呟いた奥川が俺の方を睨んでいた。

しかし。

それは本気で怒っている表情ではなかった。

「これで2度目だからね」

「本当にごめん・・」

俺は正面を向いて頭を下げた。

「今回だけ!許してあげる」

そう言って

奥川は乱れた髪と服を整えた。


その後。

俺達は軽い世間話をした。

俺が奥川の家を出たのは

22時を回ってからだった。

俺達は最後にもう一度、

玄関でキスをした。

お互いの舌を探りあう長いキスだった。

「じゃあ、また学校でね」

「奥川、今夜のことは2人だけの秘密な」

「うん」

子供は秘密という言葉を好む。

特に女の子は秘密が大好きだ。

そして秘密の共有は良くも悪くも

人間関係を親密にする。

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