詩 大地の塔 無理解
「塔のささった重要な拠点の一つ」
「その大地は、けれど人間に使われることを良しとしなかった」
大地は空へ
人間のために生きてはいられないから
誰かの手の届かない遠くへ
自分の幸せのために 旅立つ
人々は 大地に過酷な仕打ちをしてきた
その結末になるのは 当然の事だったのだろう
しかし人々は 自分達がどうして見捨てられたのか理解できない
「これから、大地なき世界でどう生きればよい!」
彼等は大地を非難し 薄情者だと罵った
大地は足を止めない
そのまま空へ 上がり続ける
「これから、大地なき世界でどう生きればよい?」
人々はすぐに悲嘆にくれた
罵声を投げつけるだけの力は
もう残されていなかったから
だから
耳をふさぎたくなるような声は すぐに小さくなっていった