戦闘
敵雷撃機は横を向いた秋麗に雷撃する体勢を整えていた。その時、秋麗の対空砲が火を吹いた。
「俺たちもやるぞ」
「うん」
丑作と源太郎は左舷前方の対空砲に配置されていた。
丑作が銃座につくと、源太郎は弾薬を銃座の隣においた。
そして丑作も敵雷撃機に向かっていた発砲を開始した。敵雷撃機は9機で構成されていて、丑作の放った弾はすぐに1機を撃墜した。
左舷にはあと3つの対空砲があり、対空性能は強くない。
しかし、他の対空砲も次々に敵機に弾を当てた。丑作は合計で2機の敵機を撃墜させ、秋麗は合計で6機を撃墜させた。
しかし、2機からの攻撃を許してしまった。この攻撃によって秋麗は火災が発生した。
もう一機は丑作がギリギリのところで撃墜させたが、そのまま秋麗に突っ込んだ。大きな衝撃が秋麗を揺さぶる。
「くっ、丑作、まだ来るよ」
「おう」
再び9機の敵機に発砲した秋麗は8機を撃墜したが、1機による攻撃を許してしまった。
「これはもう戦いにならない。退くぞ」
伊丹艦長は指令を出し、秋麗は撤退を開始した。しかし、その後ろからは敵巡洋艦アストリアがおってきていた。
「6時の方向、敵艦アストリアがおってきております」
そう一人の乗組員が艦長に言うと、アストリアは秋麗に攻撃を始めた。
アストリアの主砲が秋麗を襲う。
そのうちの一つが秋麗に着弾した。
「面舵45度。魚雷用意」
秋麗は逃げるためにアストリアに対して魚雷を放った。
放った魚雷は放射状にアストリアに向かい、2発が命中した。
「源太郎!あたったぞ!」
「よし、これでどうだ!」
アストリアは速力を失った。
「これで一安心だな、でも...」
秋麗の艦上は、死傷者で埋まっていた。
もともと秋麗の乗組員数は180人ととても少なく、この戦闘でその大半が死傷した。