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マッチングアプリ登録に至る経緯

 マッチングアプリだの婚活サイトだの用が無いものだと思っていた。

 けれど、何か割と耐え難い経験をして登録に至った。

 20代の頃から20年以上付き合っていた人がいる。付き合っていたと思い込んでいた。


 結婚という単語は出た事はあるものの、スルーして今更その話をした結果、当然というべきか拒否された。

 性格に問題のある私にずっと付き合ってきてくれた心が広くて優しい人だったと思う。これは間違いない。ただ、その一方でどうしようもない事実として、極めてこちらに対して無関心だったというのも事実だった。

 色々と話し合ってなかなかに衝撃的ではあった。「大切な人なので縁は切りたくない」と言い続けてくれるのだけれど、一切「恋愛感情」が無い。それは私に対してだけでなく誰に対しても。自分は無性愛者だという。そんなバカなとしか思えなかった。


 こちらは常時ではないけれど、気持ちを伝えていたし、しばらく時間が流れて関係が変わらなかったので、「ああこれはもう友達止まりだ」と思い、それを日記に書いたら、そんな事言わないで的な返答もあった。

 そして今思うのはなるほど「友達」ですらなかったんだと。一緒にそれなりに色々なところに出かけはした。けれど、それは2人で行くことに意味があったのか今では疑問にさえ思う。


「マッチングアプリに登録したと言ったらどう思う?」これが私から彼女への最後の問いかけ。「縁は切りたくない」けれど「恋愛感情はない」。なら「良い選択だと思う」と肯定的に受け止めるか、それか、たとえ恋愛感情なんてなくとも「裏切られた」と否定的に思うのか。

 この答えが「そういう選択をしたんだなとしか思わない」。肯定も否定もしない、ある意味現代的な人付き合いな気はするけれど、決定的だった。なるほど、好きの反対は嫌いで間違いない。それにしても「嫌い」だと言われる方がどれだけマシか。

 心が広いとかそういう問題じゃない、私に対して関心が無い。無関心だった。これはかなり辛いものがある。的確に最大限にこちらにダメージを与えようと意図的に返答したのなら見事だし、そうでないなら本当にどうしようもない。だって、こちらを見ていないんだもの。

 恋愛漫画の女の子じゃあるまいにおっさんが何言ってんだ?と思うかもしれないけれど、服だろうが小物だろうが「相手に選んでもらう」事に意味がある。それは相手が自分を見てくれているという事だから。


「本当に大切な人だと思っているのか」だとかも聞いて答えはあって、確かにウソは言っていないのかもしれないとは思ったものの、あまりにも価値観が違いすぎる。基本、こちらの行動、感情に無関心。会話は出来るし、そこで楽しい時間も過ごせるのは確か。でも、それはもうネットで気のあう人とテキストでやりとりするのと変わらないんですよ、それ。


 無性愛者について色々と調べた、あまりにも色々なタイプがいる。恋愛物語は楽しめるのに自身は恋愛感情はないとかわけがわからないのだけれど確かにそういう存在がいる。犯罪者じゃないけど、悪人が活躍する作品を楽しむというのと同じような感じなのだろうか?とも解釈しようとしてみたけれど、どうも違う気がする。未だによくわからない。

 結局よくわからないし、20年付き合ってきて今更言われてもなかなか信じる事も出来ず、随分と傷つける発言もしてしまったように思う。本当にすまない事をしたとは思う。


 とはいえ、こちらとしても今更そんな事言われても、と思ってしまうのはどうしようもなくて。結局前述の通り、「マッチングアプリに登録したと言ったら」の問いが実質最後。お互いこれ以上やりとりしても不毛だと。


 しばらく精神不安定なままでいたけれど、そうだ、マッチングアプリに登録してみたらどうだろう?50近い結婚経験無しのおっさんが相手を見つけられるなんて最初から思ってない。それでもまあ、何事もやってみないとわからないだろうと。

 そんなにネタがあるわけではないので3話か5話ぐらいで止まると思う。

 退会するまではそれでも連載終了にならない。

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