最後だったら
初の短編を投稿させていただきます。
「テレビで見たんだけど今日で人類は終わるらしいよ。」
液晶画面曰く3月20日が人類滅亡の日らしい。人類は何度滅亡を迎えたことか。
へぇ。と僕は返す。
「あまり信じてないんだね。じゃあさ賭けをしよう。どうやって滅亡するか。当たった方が…」
滅亡したのなら意味がないじゃないかと楽しそうに喋る彼女に僕は被せるように言う。
「確かにそうかも。じゃあ2人で最後まで生き延びようよ」
普段と変わらない顔で何気なく彼女は語る。隕石が降るのか彗星が爆散するのか太陽が落ちるのか。それとも宇宙人が攻めてくるのか。君はどう思う?僕は聞いてみる。
「私は隕石が降ってくると思うな。みんな一斉に死んでしまうね」
少し悩んだ後そう言う。これもやはり明日も明後日にもある様な雰囲気をしていた
「みんな一斉に死ぬならさ、もう今から好きな事だけやりたい事だけしていようよ」
少しグイと寄ってきて私に囁く。
人類最後の日、液晶画面の声と吐息だけが響く部屋で過ごすことになるのだった。
すやすやと眠る彼女の横で私は目を瞑り考える。
明日のご飯は何にしようか。
閲覧ありがとうございました。