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異世界・アレクシア

 ネット関係の事情で6時投稿とさせていただきました。

 今回から異世界での話です。テンポは遅めなので気長にどうぞ。

 周囲を見渡す。目に入ってくるのは呆然と立ち尽くすクラスメイトのみんなと今程までいた体育館の中とは全く違う光景だった。


 今時滅多に見ることのないような石造りの壁で覆われた体育館の数倍の大きさはあるだだっ広い広間。あちらこちらに博物館にありそうな芸術品だろうものや素人でも分かるような高そうな置物、壁や柱、床に至るまで(きら)びやかな装飾が施されている。


 先程から見せられてきた異様な物事が俺達をここに連れて来たであろうアイザックと名乗る男の言葉を確信に変えた。


 俺達は異世界に来たのだ。


 すると、


「ようこそ、アレクシアへ」


 あの男、アイザックが答え合わせをするかのように言った。


「私達は貴方方に御助力いただくためにこちらの世界へ迎えに上がりました」


 しかし、誰も返事どころか声すら出さなかった。


 みんなの顔を見ると理解が追いついていないのか、先程の事からくる恐怖からかわからないがまともに話せる状態でないのがわかった。


 俺のように数人は平気そうな人もいたがこの状況を問いただしたりするような人ではなかった。


 そのうちの一人である俊康に至っては何故か真顔になっている。


「それで私達はどうすればいいのですか?」


 俺も面倒だったから言うつもりはなかったが(らち)があきそうになかったから丁寧に尋ねてみた。


「そうですね。その件に関して今からお話がありますのでどうぞこちらへ」


***


 連れて来られたのは先程の広間程ではないものの十分過ぎるほど広い部屋だった。


 十数メートルほどの長い立派なテーブルとその周りに椅子が用意されている。


「腰をお掛けください」


 アイザックに指示されるままにみんな席に着く。


「少々お待ちを」


 全員が席に着くのを見計らってアイザックはそう言い残して部屋を出て行った。


 すると、まるで催眠術でも解けたかのようにみんなが声を出す。


 いろんな声が聞こえてくる。少し耳を傾けてみると多くが不安の声だった。中には泣き声も聞こえてくる。しかし、それに比べて少ないものの期待の声もあった。


 その状況を見兼ねた俺は彩姉の方に目をやった。少し放心しているように見えたが俺の視線に気づいて我に返って察したのか席を立った。


「みんな、注目! 動揺するのも分かるけどここは話を聞くまで大人しくしていましょう」


 どうやら察してくれたらしい。そして、完璧な対応。語気を弱めずそれでいて優しさがありしっかりとしている。先生だからではなく彩姉だから出来たことだろう。


 一気にとは言わないものの次第にみんな静かになった。


 すると、まるで見計らったかのように扉が開きアイザックが五人ほど偉そうな人達を連れて戻ってきた。そして、別に用意されていたテーブルと椅子にその人たちを座らせたアイザックはマイクのような物を手に持ち、話を始めた。


「お待たせいたしました。まず今から配るものを手に身につけてください」


 奥に控えられていた扉が開き中からメイドだろう人達が現れた。


 その人達はコスプレやその類と違う、まるで昔の貴族に仕えていたかのようなしっかりとした造りで派手な装飾のないメイド服を着ており、全員整った顔をしていた。


 そのメイドは愛想良く微笑みながら全員の前に握り拳ほどのリング状のブレスレットらしき物を丁寧に置いていった。その間、何か言っているような気もしたが言葉がわからなかった。都合よく言語が同じなんてこともなく、こちらの言葉なのだろう。


(ならなんでアイザックは……)

 

「皆様の手元に有りますのはこの世界の人と意思疎通を交わすための物となっております」


(なるほど)


 そして、アイザックの手元を見て周りを見てみた。何人かが言われた通り手につけようとそのリングに手を通していた、するとそのリングは手首のサイズに合わせて丁度いい大きさに変わっていった。


 俺も手を通した。例の如くサイズが変わり俺の手首にぴったりとあった。まだ付けてない人も付け始める。


 全員が終わった頃、


「では、話を再開させていただきます」


 とアイザックは再び話し始めた。


「まずはじめに、こちらの方々を紹介させていただきます。右から王国・マーレ王、帝国・サンドラ帝、法国・メリダ法王、獣国・ライネル獣王、霊国・ヴィーネ霊王様方でございます」


(亜人がいるのか)


 人間と何も変わらなくて分からなかったが獣国、獣王ということは獣人、亜人なのだろう。そんな事を思いながら彼らの方を見てみる。


 彼らは座ったままこちらへ目を向けていた。マーレ王とヴィーネ霊王に関しては笑顔でこちらに手を振っていたが、威厳等でか誰も振り返す事はしてなかった。


「そして再度、私はアイザックでございます。では、本題に入らせていただきます」

 御拝読ありがとうございました。

 誤字脱字誤植等ありましたらご報告下さい。

 明日も続きを投稿さしていただきます。

 今回からやっと異世界での話でした。温かい目で見守ってください。

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