[239]~[240]
[239]
『愛の放物線』
これは
世界全体をまどかに包み込み
太陽よりも先に産まれ
これより深いこれとなり
名付けるまえに在るものが
また、多くの名前を授けていき
色彩やその福音やダイアグラムは
そのものであり
同時にこれは光の素粒子を産み
婉麗に絶えることなく
全ての親として玉座に座り
次元や虚空を往き来しては閃いて
これはあり
これはもうその亀裂にあって
これは綱さえ渡り
これはあらゆる相性や障壁を超えて
これは奥の奥
これは相互的で、総合
これは源
これは中心
これは神
これは永遠
これは枯れない泉
これは日蝕のメリーゴーランド
これは赦しであり
全てを解き放ち
一人一人ひとつひとつの
内外に合わせて優雅に飛翔し
「違い」や「同じ」を尊び
全てを可能とし
清く、世界を根底から加護し
支え、成り立たせ
育み、慈しみ
導き、統べている
これこそが
最後の希望
これこそが
暗闇や地獄を照らす
決して、消えない炎
ほら、こちらに
鳳凰が光の花々を
爛々と率いていらっしゃる
[240]
『一閃』
光束が裂けた
この瞬間は
過去や前世、未来から
由来している、と
虹彩は絶えず見せてくる
わたしは心深い目になって問う
何故、人は存在しているのか?
溌剌と静寂のとばりから
それは、たとえば
創造
世界を協同創造するため
では、創造のまえにあるものは?
不動と流動のとばりから
それは
唯一の源である
純潔な愛や慈悲の泉
ゆえに…
こうして光源は
わたしの瞼からまどろみ
わたしの内外を
時には炎、時には水
時には風や土
金縷梅の幹のまにまとなって
洗い清め
世界を映し出す
その世界に
わたしは轟きながら
再び、立ち上がる




