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2020.09.20
『夕闇』
夕闇のなかで
1羽の鳥がさえずりました。
「なんでこんなにも酷く、美しいのだろう。」
このように、さえずりました。
それを聞いた
秋桜が言いました。
「なんでだろうね。それは、もしかしたら、この星が蒼白く、かがやいていたからだろうね。」
それから
スピカも言ったのです。
「そちらの調子はどうですか?私は、お陰様で、つつがなく暮らさて頂いております。」
そして
言葉は星や露のしずくのように明滅しました。
明日は
決して、来ないで欲しい。
時よ、止まれ。
未来は
この胸の中にあるのだから、と。
[238]
人は時には、孤独にならなければならない。
それによってでしか、次のステージが約束されないケースがある。
この時は、万物さえも、遠くに、追いやらなければならない。
ただただ、内なる光によって、闇夜を照らさなければならないのである。




