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「多様性」や「多様化」という言葉を、最近耳にする機会が増えております。広告などにも、よく使われておりますよね。この「多様」という言葉に託されているテーマを僕なりに、掘り下げていこうと、思います。


まずは、個人の個性、一人ひとりの資質を尊重し、重要視されるようなベクトルを持った、時代の流れが出来上がってきたのだと、思います。逆に言えば、今までは、大企業などによって、個人の個性が潰され、(いびつ)なものに個性が変形させられていた、という背景があったように、思うのです。上からの圧力や蹂躙(じゅうりん)によって、個人の自由な感性が羽根を広げることは、出来ずに、組織造りが成されていたのでしょう。それでは、やはり、個人の力が(しぼ)んでしまいます。そうしますと、会社全体の総合力も萎んでしまいますので、士気も下がり、方向修正をせざるおえなくなったのでしょう。利潤重視でやっていく危うさが、表業化したとも解釈できます。ですから「多様性」や「多様化」という言葉のなかには、組織が変化し、進化してきた過程を現す言葉でもあると、思います。個の充足が尊ばれ、またマーケットも、そのように、シフトしていったのでしょう。情報が多い現代であるため、様々なストレスがかかるようになり、個人的な趣味や余暇にも、お金を使う機会が増えるようになっていった。


また、「多様性」や「多様化」と使われる時には、このような暗黙の了解が現段階では、あるような、気が致します。「あなたの個性は、よく分からないけど、とりあえず認めます」このようなことがあると、僕は感じます。まだ、本当の「多様性」や「多様化」とは、ほど遠い感触です。本来ならばこのようになっていくことが、理想であると、思います。「互いの個性の違いを活かして、補い合い、助け合い、協力し合い、ひとつになろう!」このような方向性を持った時に、初めて「多様性」や「多様化」という言葉が成就すると、僕は、思います。


「多様性」や「多様化」といえども、点でバラバラになっていくようでは、あまり効力を発揮しません。互いの個性を活かし合いながら、ひとつの総合力として、一致団結するところも、同時になければ、ならないと、僕は思います。


ですから、「多様性」や「多様化」というものに託されたテーマとして、あるものは、「本当のチームワーク」や「本当の総合力」「全体性」があると思います。結局のところ「本当の一様性」というものを、目指している、中途段階であると、僕は、捉えております。


ですので、組織としての最終段階に向かう為の一歩を踏み出した、言葉でありますから、僕は、素直に喜びを感じるところと、「一様性」や「総合力」「全体性」を忘れないで欲しいという危惧もあります。


僕として考えておりますのは、「ホロン」や「ホロニック」という機能や段階がありますから、最終的には、ホロニック組織、ホロニック・マネジメントを目指すべきでは、あると思います。ホロンやホロニックの意味は、イギリスの小説家である、アーサー・ケストラーの造語で、ギリシャ語のホロス(holos:全体)とオン(on:接尾語で部分や個)の合成語であり、 ホロンは「全体子」と訳され、生命科学の領域では「個と全体の有機的調和」を意味します。個々には異質な要素や性質が集合しているにも、関わらず、全体としては、調和しているさま。また、部分でありながら、全体の性質も有している、という意味合いがあります。


僕は、スピノザが唱えた「総合の元素」を個々が持った組織であること、これと等しい、意味を持っていると、考えております。


また、このようなバイオリズムが物事には、あるように、思います。


一様性→多様性→本当の一様性


また、仏教やインド思想ではこのようなサイクルがあります。


創造→継続、維持→破壊→引き上げる(再創造)


このようなこともあります。


かなり、話しが累乗し、発展しましたが、このような可能性まで把握しておくことは、大事なことであり、有意義ではあると、僕は思います。やはり、最終ゴールというものを、認識し、把握しておくことは、途中段階の状態としても、励みになるし、エネルギーの配分が、明確になり、ロスを減らすことにも、繋がると、思いますので。

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