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『ヘシオドスとホメロス』
ヘシオドスとホメロスについて、古今東西に渡り様々な、記述が残されてきている。先ずはヘシオドスでは『神統記』や『仕事と日』、ホメロスでは『イーリアス(トロイア)』や『オデュッセイア』など。
私としては、どちらかが勝るなどという小さな噺ではなく、現代風に言えば「業界として生き残れるのか」このようなニュアンスを感じてならない。
両者とも詩人であるが、詩はポエム、poēma「小説(短編含む)、詩的作品」や「創世されたもの、創られたもの」と意味合いを持つ。
1つ注意したいのは、ヘシオドスもホメロスも口承文学であること。これは何を意味するかを、各人として心得なければ、その本質を、捉えることは難しいであろう。
また、私として述べておきたいことは、ヘシオドスは[調和]と[日常]または[歴史]を、ホメロスは[戦い]や[夢]または[非現実]を取り扱っていたということ。ヘシオドスについては[ヘシオドスとホメロスの歌くらべ]を参照にし、ホメロスについては[オデュッセイア]で描写されている、アテナ神からのナウシカアに対する夢告の行き届いた配慮などである。
このような要点を吟味する力や、謂わば自身のパワーに変えていく力がなければ、本を記述したり、芸術、あるいはミューズの女神が微笑む、という奇跡のようなことは、決して起き無いであろう。




