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(アミュースケール作の日常美術館より)


春、それは永遠。天国には枯れる花は一輪も咲かないのだから。


 夏、それは夢。宝石のような美しい汗と涙を流す季節は、ほかにない。


 秋、それは知恵。この果実を収穫した者は、豊饒(ほうじょう)な人生が約束される。


 冬、それは愛。胸のなかにある、真実の炎を燃やしたときに、あらゆる絶望や残酷は氷解する。


 何事にも、段階があるように思う。また、段階はあった方が無理が無いし、その段階における固有の役割を果たしていくことや、それをサポートすることは、とても重要であるように思う。それは、ぼくがこれから携わっていく、芸術においてもそう。


 芸術には主に、ジャンルを問わず、消費芸術と普遍芸術があるように思う。消費芸術は治療でいえば、対処療法のような性質がある。感情や感覚器官の反応や可視化、表現である。けれど消費芸術そのものからは、純粋な存在や愛の永遠性、奥深い魂については気付く、きっかけにはならない(ジャンプ台にはなる)。


 一方、普遍芸術とは、不朽の名作と(うた)われているような作品が該当する。普遍芸術は、この世界に流れる総合のアイデンティティーが必ず脈を打っているため、普遍芸術に触れた者に、一体なる大宇宙の感動をもたらし、永遠を目覚めさせる。

 

 芸術はいつでも永遠があるべき姿。

 また、芸術はやがて

 永遠へと収斂(しゅうれん)していく魔術。


 神秘家研究者イーヴリン・アンダーヒルによれば、人間と本当の総合家である神様との距離関係や段階には、大きく別けて五段階あると述べられている。


1 覚醒 (目覚め) [ポジティブ]

2 浄化 (目覚めからの洗練、修行) [ネガティブ]

3 照明 (1,2の過程で得た、知恵や光) [ポジティブ]

4 暗夜 (最後の過酷な試練) [ネガティブ]

5 合一 (神様の体現者) [ポジティブ]


 ポジティブゾーンでは、この上ない喜びがあり、ネガティブゾーンでは、無気力感や悲しみがあるようだが、それらの振り幅を通過することにより、必要な栄養と体験が培われていくようだ。


 ちなみに、1,2,3の段階の神秘家は多く、4や5の段階まで突入する、神秘家は稀。4の段階では、地獄をも内包し、陶冶(とうや)するため、本当の悪魔や鬼のささやきも聞こえてくるようになる。そうして、洗練され、悪魔を癒し、克服することにより、魂の夜明けが訪れる。この黎明(れいめい)には、幼子や子供のようなよろこびが顕現しはじめて、神の子として、その神のごときピュアな光を振り撒いて、地上を愛の楽園へと、創造していくそうだ。

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