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『水玉模様』
空の真ん中にぽかんと
水玉模様の夢が浮かんでいる
それを雲がじゃれたり
風が不思議な音を立てながら
歩くように吹いている
そこに日の光が
あますことなく転がっているのが
目に入ったとき
私もたまらなくなって
その夢の渦中のなかに
ダイヴした。
はじめに海王星のオルゴールが
聴こえてきたが
そのメロディーのなかを泳いでいるうちに
眩しいほどの光の道があることに気付いた。
歩く度に轟音が鳴る道であったが
不思議と嫌な感じがしなかった。
そうして
狂おしい声が私を包みこんでいったときには
水玉模様の城に
たどり着いていた。
城の中には
1人赤茶の髪の女性が立っていた。
その女性が私に近づき
私の手をとって
城の舞踏の間に案内された。
そこで私達二人は
リーディングをしながら
白昼の月のステップでダンスをした。
体をひるがえし
赤茶の髪の女性が言った。
「夢や憧れがこの御縁を創ったの」
私は一度あっけらかんとなってから
嬉しい実感が込み上げてきて、こんなことを言った。
「永遠は時間に依らず、心情に依るものです」
赤茶の髪の女性も、面白い表情を浮かべて言った。
「そうですね。永遠はときめいてるものですから」
それからまもなくすると、二人は、白い光の渦のなかに巻き込まれて、それぞれの現実世界で目を覚ました。夢のなかの至福や恍惚が現実世界でも感じられて、思わず、その場で、白昼の月のステップをした。




