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『ロマン讃歌』
限りある人生には果てしない融合の旅を
既知のものには未知なる絵を
有限なものには無限のダンスを
否定的なものには肯定的な歌を
無関心や無知には唆る旋律を
建築にはオーケストラと合唱の凝固を
遠い分裂には
肌で感じられる身近な統合を
機械のような現実のただなかには
自然や神々のメルヒェンを
写実にはときどき印象や心情を
真実にはやさしい解釈を
モノクロームな心にはカラフルな童心を
恋の花束には愛のブーケ
虹色の雨には木星の詩
小さな種から大きな森
泉のライオンとフェニックス
水晶の城に漂う金粉
不動と流動のアドリブ
溌剌の太陽と月の静寂
日蝕メリーゴーランド
天国な日常の訪れ




