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アカシック Re:ワールド  作者: 因幡兎
7/17

希望の光

湊が消えてから1週間。

 全員で探して手掛かり一つないまま1週間が経った。


「みんな落ち込む必要はない。皆が落ち込んでいたら彼も浮かばれないしね」

「湊君は死んでなんかいない……!勝手に決めないで……!」

「……認めなくちゃ前に__」

「やめて!私はまだ諦めてない!」


光輝の中では彼は死んだことになっていた。

それがどうしようもなく憎らしい。


”認めなくちゃ前に進めない?”


そんなことはわかってる。

けれどまだ死体だって見つかってない。

なのに何故決めつけるの?


「……ごめんなさい。ちょっと落ち着いてくる」


フラフラと部屋を出ていく菜緒に当麻は何も言えなかった。


「光輝。お前は少し考えて発言しろ。菜緒がどんな気持ちかわからないわけじゃないだろうが」

「けれど、彼女には前に進んでほしいんだ。僕は」

「俺だってあいつが死んだとは決めつけてない。勝手なこと言うな」

「君だって見ただろう?彼は重症だった。なら__」

「魔法なんてものがあるんだ!少しくらいの傷なら治せるだろ!!」

「二人とも落ち着きなさい。今はそんな場合じゃないでしょ?」

「そうそう喧嘩してたら湊君だって悲しむんだから!鈴ちゃん頑張るからさ!仲良く探そうよ!」

「お前らはそこまで関わりが浅いからそんなこと言えるんだよ!俺の気持ちが分かんのかよッ!!」

「あ……ごめん……そんなつもりじゃなかったんだよ……」

「ちょっと鈴!?」


制止する伊莉奈の言葉を聞かずに出て行ってしまった。


バチン、と。

頬の熱さで叩かれたのだと気付いたほどわけが分からなかった。


「ッ!!あんた最低!!」

「はあ?」

「確かに私たちはあんたの気持ちが分かんないわよ!でも!!あんただって鈴の気持ちをわかってないじゃないッ!彼が誰を庇って傷ついたか忘れたの!?あんたなんかより鈴の方がよっぽど辛いわよッ!それなのにああやって普段通りにしようとしてたのに!自分だけ辛いだなんて馬鹿なこと思わないで!!今すぐ鈴に謝って来て!!」

「ッ!!ああもう!!」



”誰を庇って傷ついたか忘れたの!?”


鈴を探しながらもずっとその言葉が響いている。

あの時、湊が傷つくのを誰よりも近くで見ていたのは鈴だった。


”あんた最低!!”


「ああ最低だな!俺!!」


自分の最低さに反吐が出る。


”あんたなんかより鈴の方がよっぽど辛いわよッ!”


「くそ!!」


まったくもってその通りだ。

湊が傷ついて一番つらいのは誰だ?

菜緒と自分だと思っていた。


「はぁ……はぁ……見つけた」


城の一角で膝を抱えて泣いている。


「ごめん……私、馬鹿みたいに騒ぐぐらいしかあんたや菜緒ちゃんのこと慰めてやれないからさ……私のせいだもん____」

「それは違えよ。お前のせいなんかじゃない」


1週間ずっと自分を責めていたのだろうか。

俺はそんなことすら気付かずに。


「悪かった!俺自分のことに必死でお前の辛さを考えもしなかった。俺たちだけが辛くてほかの奴らはそうじゃないと多分どっかで思ってたんだと思う」

「そんなの皆同じだよ……!!私だって__!」

「違うよ。お前は俺たちが辛いからっていつも通りに振舞ってくれた。だからありがとう。それとごめん」

「……もういいよ。早く湊君を見付けなくちゃだしね」

「ああ、どんなことがあっても見つけて見せるさ!もちろん全員で仲良くだぞ?」

「そりゃそうさ!鈴ちゃんは仲良くしたいしね!!……私は大丈夫だから菜緒ちゃんのとこに行ってあげて」

「いや、一緒に行こうぜ。それこそ『皆で仲良く』だ」


”彼は死んだ”


「そんなことない……!!湊君は生きてる……!」


”認めなくちゃ前に進めない”


「止めて……!!」


”もう認めようよ”


自分じゃない自分が語りかけてくる。

どれだけ否定してもどれだけ拒絶しても。


「認めない……!!絶対に……!!」

「失礼します」

「双葉さん……?」

「さっきみんなのもとに行ったら1人で戻ったと聞いたので来ちゃいました」

「……今は一人にしてください」

「嫌です」


きっぱりと否定されて少し驚いた。

なぜかいつもと雰囲気が違う気がする。


「意外ですか?少し話しましょう」

「……嫌です。帰ってください」

「聞いてくれるまで帰りません」


今のこの人はテコでも動かないだろう。

何故かそんな気がしてため息交じりに了承した。


「……わかりました。少しなら」


 菜緒の横に腰かけ、ゆっくりと話し始めた。


「高校1年の時私は事故で入院したんです」

「知ってます。かなり長期間でその間、学年中が大変だったって先輩が言ってました」

「あの時は原因不明で最悪は死の可能性もあると言われました。入院し始めた頃はずっと怖くてベットでうずくまっていたんですよ。今のあなたと同じように」

「それがなんだっていうんですか?」

「そう急がないで。それから少ししてからとある人と知り合いました。男の人で年齢が近くて」

「……もしかして湊君ですか?」

「いえ、確かに彼に似ていましたが……違いますよ名前が確か……俊…だったかな?彼は私より1つ年上でした」


それは双葉を変えた出来事。



「君はどうして入院したの?」


入院いてから少し経った頃不思議な男性がやって来た。


「そんなのどうだっていいじゃないですか。なんで毎日私に話しかけてくるんですか」


この時は余裕がなく誰に対しても冷たくしていた。


”どうせ死ぬかもしれないのだから”


そんな思いでずっと過ごしていたのだから、両親もつらかったはずだ。

お見舞いに来る回数が減っていった。

後で来たことだがその時は家に帰るたびに夫婦げんかをしていたらしい。


「そりゃ、年齢が近かったし暇だから」

「なんですかそれ。私は玩具じゃないんですよ」


 彼が話しかけてきてから3日が過ぎた。

毎日飽きもせずに何故かやって来て楽しそうに話すのだ。


「それで?君はなんで?」

「……わからないんですよ。病名も症状も似たような病気はあるけどどれも治療法が分かってないって」


 余命宣告はされていない。

けれど自分で調べた限り同じような病気で助かった人はいなかった。


「それであなたはなんで入院なんてしてるんですか?」

「君を救いに来たのさ☆」

「頭の病気ですか。重症そうで大変ですね」

「止めて!?そんな冷たい目で見ないで!?ちょっとしたジョークだよ!?」

「……真剣に答えてください」

「僕はね。……階段から落ちた」

「馬鹿ですか?」


1週間が経った。

それでもまだ彼は毎日来ていた。

いつの間にか彼が来るのが楽しみになっていた。

そして今日改めて尋ねた。

何故毎日来てくれるのか。


「……最初は話しかける気はなかったんだ。でも君があんまりにも辛そうだったから」

「確かに最初は辛かったです。どうして自分だけって」

「誰かが辛そうにしてたら遠くから見守るんじゃなくて、僕はそのひとのそばに行って話したい」

「……ありがとうございます」

「お礼はいいよ。恩返しを期待してる」

「恩返し…ですか」

「そんなけだものを見るような目をしないでよ!?一つお願いしたいだけだって!!」

「内容によります」


「君が困っている人を見たらそばで話しかけるだけでいい。僕と同じように。君と同じような子を助けてあげてほしい」




「それが今、ここにいる理由ですか?」

「彼がいうには『1人でいるから良くないものに惑わされる。誰かと一緒ならどんなに辛いことも乗り越えて行ける』って」


それじゃあ、まるで別れを認めろといっているような___。


「……会長も湊君が死んだっていうんですか……?」

「それは違いますよ」


ポケットから何かを取り出した。

ひとの手に収まるくらいの小さな水晶玉。

その中に何かが眠っていた。


「クー……ちゃん…?」

弱弱しく今にも消えてしまいそうなその生き物。

とても小さくなったが確かにクーだった。


「王様が全力で探してやっと見つけたそうです。『まだ契約が生きている。なら主も生きているはずだ』って」


「ッ!?じゃあ!?湊君は__!」

「生きています。だからこんなところで一人でいちゃだめです。皆で探しましょう」


憑いていた何かが落ちたような気がした。

枯れそうだった涙がまたあふれてくる。

けれど悲しみではなく。


「…良かった……もういないんじゃないかって……!何度もそう思ってッ……!!もう諦めようってッ………!!」

「さっきの言葉はですね。続きがあるんですよ。『その人が諦めたら君が手を取ってもう一度一緒に歩いてほしい。”自分の信じたことを貫け”って』。信じて探しましょう。もう1度クーちゃんをなでたいですから」

「…!そうですね……!1回だけなんて嫌です……!」


双葉が菜緒を落ち着かせていると二人がやって来た。


「俺らの出番はないみたいですね」

「当麻君。もう菜緒さんは大丈夫ですよ。さあ、皆さんと一緒に王様のところに行きましょう。お話があるそうです」


 告げられたのはこれからの二手に分かれての行動方針だった。


(絶対に見つけるから……!!)


 動き出した歯車にはまだ誰も気が付かない。

===============================================

あの夜から1ヶ月が経った。


 ここの魔物たちには何とか一人で勝てるくらいにはなったがまだ少しのミスで危険に陥ることが多々ある。

戦い方はなんとか様になってきたがどうしてもルカに勝てない。


「な……んで……勝てないんだよ……!」


地面に倒れ伏しながら毒づく。

どれだけやっても勝てる気がしない。

毎回挑んでは返り討ちにあっていた。


「最近は結構きついけどね……!まあまあ強くなってきてる。けど僕もまだ負けるわけにはいかない」


 ルカは息を切らせてはいるがそれでも余裕そうだ。

その状態できついと言われても信じる人間はいないだろう。


「今回の賭けは俺の負けだな!無理だと思ったんだけどなぁ!」

「また賭け事してたのかよ。おっさんは止めた方がいいと思うぞ」


ここの人たちにも馴染んできた。

1ヶ月過ごしたということもあるが、それよりも大きな原因があった。

 実験と称した拷問。

1週間に1度のペースで拷問を受けここが唯一の心のよりどころになっている。

悪い意味でもいい意味でも。


「ちなみに今回はなにが条件だったんだ?」

「今回はルカに一撃を入れれるかだな。最後一発入れてたろ?あれがなきゃ俺が勝ってたんだがなぁ」

「そっちに入れてんじゃねえよ!俺が頑張ってんのに何を賭けてんだあんたらは!!」


 最初は勝ち負けで賭けていた。だがどうやら賭けが成立しなかったらしい。

それを聞いた時は複雑な気持ちになったものだ。


「あははは……僕はとりあえずタオルを取ってくるよ」


ルカが走っていくのを見送った。

相変わらずブルグは賭け事を趣味にしているらしい。


「そういえば毎回何を賭けてるんだ?食べ物?」


ここではお金の価値はない。なぜならここは大抵の事なら揃ているし何より次元自体が違うのだ。

 1ヶ月で分かったことはここは時間の感覚が違うこととあの世界とは異なる次元だということ。


「もちろんそれもあるが……仕事の代わりなんかもあるな。ここで賭けれるモンは限られてるからな」

「それ、にこやかに言うことじゃないだろ!」

「こまけぇこたぁ気にすんなって!それより体洗ってこい。かなりくせぇぞ?」

「マジで?まぁ汗かいたからなぁ」


ルカは汗をかいてなさそうだったなと思い出し余計に凹んだ。


「今日は特別に穴場を紹介してやろう!」

「穴場?」

「おうよ!俺たちが普段行かないんだがお前ならいけるはずだ!とことんゆっくりしてこい」

「?そんなに険しいとこにあんの?」


 ニヤリとして場所を教えてくれたが最後の質問には答えてくれなかった。

仕方なく重い足取りで歩いていく。その後ろでブルグが笑いをこらえていることには気づかなかった。



「ふう……確かに気持ちいいな……」


いつもは別のところの温泉に入っているのだがいろんな人がいて一人で入ることは珍しかった。


「家族……か」


 もうすでにここの人たちは家族と呼べるくらいには絆があるだろう。

 ここに住む人達は温かくて優しい人達ばかりだ。

 依存だと言われれば納得してしまう。

 だからこそ。


「まだ……足りないよな……」


依存しなくては生きてけないこんな場所にいてはいけない。

全員が一度望み諦めてしまったこと。

それに一人で挑むのだから準備はしっかりしておかないといけない。

あの夜に誓った事。

あとえ自分が死んでもエイナだけは元の居場所に返して見せる。


「エイナだけなら何とか……けど………」


1ヶ月で状況が変わった。

絆が深くなりすぎた。家族と呼べる人たちを置いて逃げるわけにはいかなくなった。

けれどやり遂げて見せる。


「やっぱそのためにはまずは……」


 敵を相手に全員を守れる程度には強くならなければならない。

幸いなことに向こうにも良心的な学者がいた。

ランという女性で何度か話をしたが逃げるときは手を貸してくれるようなので今は信じて力を付けるしかない。


「?なんか人の声が聞こえたような?」


奥の方から誰かの声が聞こえた気がする。

近づいていくとはっきりと聞こえてきた。


「エイナはいいわよね。こんなにも肌が綺麗で」

「ミーナこそうらやましいです。足がそんなすらっとしてて」

「ぃ……!?」


危うく声が出そうになったが何とか耐えた。

会話内容からして覗かなくても向こうが温泉に入っているのは明白だ。


「(おっさんはめやがったなぁぁぁッ!?)」


心の中のおっさんが笑顔で親指を立てている。


 よし十発殴って少しだけ落ち着いた。

おそらくここは男性用ではなく女性用。

疲れていたから少し油断していた。


「(とにかく急いで出ないと……!!)」


けれど。

湊だって男だ。向こうの会話が聞こえる状態で興味が抑えられるわけがないのだ。


「……」


ゆっくりと。

幸い二人しかおらず見つかる可能性は低そうだが時間の問題だ。


「(て何やってんだ!?俺!?)」


ギリギリのところで理性を取り戻し隠れる。

湯気のおかげで大事なところは見えていないのが残__もとい幸いだった。


「(湯気様万歳ッ__!!てそんなことより…)」


ゆっくりと音がならないように移動する。

こんなところで狩りでの隠密が役に立つとは思わなかった。


「(何がどこで役に立つかわからならないもんだな)」


そんなことを考えたせいか。

足を滑らせ、思い切りこけてしまった。

大きな水音が響き会話が止まる。


「誰かいるんですか?」


ゆっくりとしかし着実に近づいた来る音がする。


「(ストップ!ストォォップッ!!)」


願っても叶うはずがなく。


「ッ~~~~!?!?」


やって来たエイナはタオルを手に持って固まっていた。

つまりは何も隠れていない。

綺麗な肌だけでなく形の良い胸の先っぽまで__


「ふんばらびッ!?」

「あんたは何してんのよッ!!」


全力のドロップキックを受け意識を失う前に最後に見たのはドロップキックをした相手の裸だった。

せめて隠そうよ……。




「で、それが原因だと?」

「いやマジでおっさんにこっちが穴場だからって言われて!!」

「ふんッ!!」

「うぼあッ!?」

「だからって許すわけないでしょうがッ!!」


現状を説明しよう。

正座をさせられ、ミーナの手には鞭。

手足を縛りあげられ身動きもできない。


「もう許してあげましょうよ……反省してるみたいですし」

「………。エイナがそこまで言うなら鞭打ちはここまでにしてあげるわ。ただしそのままで一晩過ごしなさい。ルカには話しておくから。……ああ、それとあとでもう一人連れてくるから安心しなさい」


 ニコリと天使の笑顔で去っていく。

 離れていくミーナと湊を交互に見ながら結局エイナはミーナと一緒に離れていった。

まあ、仕方ないことではあるが。


「確かに見ちゃったもんなぁ…」


思い出しそうになりかぶりをふる。

今何かあったら1週間に延ばされそうで怖い。


「いや、あいつなら絶対やるな」

「やあ、湊君さっき話は聞いたよ」

「こっそり助けてくれたりは」

「無理だね。『手助けしたりしたらあんたもしばく』って脅されてるから」

「予想済みかよ」

「でも、ブルグさんも見つかって逃げてたからしばらくしたらこっちに連れてくるんじゃないかな」

「あのおっさんそのままられればいいのに」

「ははは……まあ、あの人だって大事な家族で良いひとだからさ。嫌いにはならないであげてね」

「例えばどこが?」


「………まあ人それぞれいいところはあるんだよ」

「おい」

「冗談さ。そうだね。あの人はここのお父さんみたいな人だから。いつもふざけてるけど、いざというときには頼りになるんだよ。子供がいたらしいからね。ほんとのお父さんなんだよ?」

「……ルカは帰りたいか?」

「……正直な話みんなが帰りたいはずだ。それでもここで頑張って生きてる。もちろん僕だって帰りたい」

「……そっか」

「だからってここが嫌いな訳じゃない。初めて会った時に言ったよね。地獄郷<ディストピア>って。ここは半分地獄で半分が天国なのさ」


今ならその意味が分かる。

家族と呼べる人たちがいる。

実験という死の宣告がある。

逃げることはできない。


「君には悪いけど君が来てから僕たちは救われているよ。実験には君しか呼ばれない。君にとってはつらい事だろうけど」


 来てから1ヶ月確かに自分しか実験には連れてかれていない。


「……別にもうなれたさ。吸血鬼のおかげでな」


 壊れることのない心と体。

それのおかげで今はこんなふうに笑っていられる。


「最初は確かに恨んだりもした。けど今は何とも思ってない。目的のためには手段なんか選んでいられないからな」

「目的?」


しまったと心で毒づく。

まだ言ってはいけない。

確信が持てるまで無駄な期待はさせたくない。


「ルカに勝つことだ」

「じゃあ、僕も頑張って追いつかれないようにしなくちゃ」



「あらルカもいたのね。ちょうど良かったわ」

「……なあ、なんかおっさんが真っ赤なんだけど」

「トマトジュースよ」

「絶対違うよね!?完璧に血だよね!?」

「トマトジュースよ」

「傷口あるしその手に持ってる凶器も真っ赤なんだけど!?」

「トマトジュースよ。__大丈夫よ。死にはしないから」

「デジャブが……」

そういえば1ヶ月前にも聞いたな。

「誰が言ったんだろうね」

「お・ま・え・だ・よ!!初っ端から危険なことを一人でさせたお前!!」

「これでOKね」


 そんな言い争いをしている中ミーナはブルグを木に吊るしあげていた。

『私が黒幕です』という板を首に掛けて。

ミーナが一番の黒幕じゃないだろうか。


「罰を増やそうかしら」

「申し訳ございませんでした」



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