表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

海を歌う愉快な黒板

夢の影

作者: 海之本

裸足のそれから伝わってきたのは

心地好い冷たさでした


傷に流れ込む水の感触さえ

とても優しいのです


歩き続けた足が

こんなにも悲鳴をあげていたとは


夜の森に佇むその影に

誘われるまま

我を失っていたのでしょう


それがあまりにも美しかったから

あまりにも似ていたから


私は触れたいと

ただそれだけを望み


月明りの中

木々の声を聞いていました


葉の雫が水辺に堕ちる音は

消えゆくほどに儚く

水面と一体になる瞬間は

息を呑むほど刹那で

私は強く焦れました


まるであなたの泣き声のようで

その姿を見たいと思うのです


静かな月夜に

葉啼りが耳に良く

照らす青い光は

その影を暗く 優しく 愛しげに抱き

胸をざわつかせては

森を蒼く染め上げていくのです


愛しい 愛しい 月

こちらに追いでと


水辺の瞳に映る己の姿に

月は充ちたりて色付き

今にも堕ちていきそうです


あまりにも 見つめ合い

あまりにも 遠いため


湖は震え 泣き

届かぬ腕を伸ばしては

森になだめられているのでしょう


まるで夢に見る影の

それは ああ あなたなのでしょうか


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ふとホーム画面に上がってたので地下鉄の中で見させて頂きました。この詩の背景はよくわかりませんが、もの凄く綺麗でした。海さんの詩を全て読んだわけじゃありませんが、僕の中では今までの詩の中で抜群…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ