第二話 コンビニ
俺たちは今、四国の徳島県上空にいる。
ブラックホークに乗り、着陸ポイントを目指しているところだ。
今回の作戦はまず徳島を解放し、そこから準々に香川、愛媛、高知を解放していく。そして感染者を救う術はなく、殺すしかない。
さらにまだ感染していない市民の救助もしなければならない。さらに今回はミサイルも迫撃砲も使えず、空爆もできない。まだ無事な民間人を巻きこんでしまう恐れがあるからだ。
『着陸ポイントまであと10分だ!!』
パイロットから報告が入る。
俺は89式小銃に弾を込めた。
そして煙草を取り出し、煙草の煙を肺に入れる。
ヘリの中にいる11人の仲間たちの顔は緊張に包まれている。
それは当たり前だった。感染すれば生きては帰れない。中には家庭がある者もいる。俺たちは必ず生きて帰らなければならない。
『着陸するぞ!』
着陸と同時にブラックホークから飛び出し、四方を警戒する。
だが、周りに感染者の姿はなく、生存者の確認もできない。
『よし!今から2名でバディを組み、市街地へ潜入する。まず拠点が必要だ。小鳥遊と武内はあの建物を確保だ。。』
『『了解』』
分隊長が示した建物はコンビニだった。
まずは俺と武内士長が中を探る。
電気は通ってないのか、自動ドアが開かずこじ開けた。
『武内士長...まずは自分が入るので後ろから援護を頼みます。』
89を構えながら進んでいく。店内は棚が倒され商品が散乱していた。床には血だまりが数箇所あったがその主はいなかった。
『まずトイレから見よう...』
『了解です』
俺が先頭に立ち、3歩くらい後ろを武内士長が後方警戒をしながら進む。
トイレのドアの前に立ちハンドサインをし、突入する3秒前を指で示す。
3.2.1
バンッと勢いよくドアを開ける。
89を構えながらクリアしていくが、個室の中も確認したが、誰もいなかった。
次にバックヤードも確認したが、やはりだれもいない。
どこに消えたんだ...?
無線で分隊長に連絡する。
『こちらブラボー、チャーリー。建物の中確認完了。なお安全化も完了した。』
『こちらブラボー了解』
5分ぐらいして、2分隊の隊員たちがやってきた。
『よし!今日はここを拠点とし、生存者の捜索及び感染者の掃討を行う。小鳥遊と武内はここから15キロ先にある小学校を確認してきてもらいたい。』
と分隊長が地図を広げながら説明していく。
『なお生存者を確認できた場合は信号弾を打ち上げてくれ。ブラックホークがすぐにいくだろう』
『了解です』
くそっ。斥候任務か...
だが分隊長の命令だ。逆らえるわけがない。
『武内士長行きますか』
『ああそうだな。出発するか...』
俺と武内士長は小学校を目指して歩き始めた。