表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
最終章『時の平穏の先で』
775/775

続きのバトルシップ

接続信号を確認———。


「おい、アカ子。これで大丈夫なんだろうな?」


ドライバーダウンロード……。


「多分大丈夫だと思いますよぉ? 接続端子は同じ規格ですしぃ……、ちょっとドライバーの相性まではわかんないですけどぉ」


アカ子の言葉が聞こえる。相変わらず元気そうで何よりだ。ちょっと声が違って聞こえるのは……マイクの影響だろうか?


「おはようございます。お久しぶりです、アカ子」


「わっ! やったぁ! お舟さん、お久しぶりですぅ!!」


「おいおい、俺への挨拶は無しかよ」


キャプテンがふてくされているような表情を浮かべていた。


前に比べてずいぶん日焼けしている。


「先日、お会いしましたので」


「海の中でだろうが。まったく……どうだ、約束通りやってやった! 褒めていいぞ」


「ええ、大した物だと思います。ここはどこですか?」


私の問いかけにアカ子が答えてくれる。


「えへへ、戦艦なんですよ。大型戦艦アンリエード号です」


「……戦艦?」


意味の分からなかった私の言葉にキャプテンが大げさに胸を張る。一体なにをしたのだろう。


「メインシステムは積んでない。さあ、お舟! お前のニューボディだ!」


「いよっ! 大出世!」


やんややんやとキャプテンとアカ子が盛り上がっているけれど、私には……よくわからない。この二人は理解させようとするつもりがなさそうだ。


ただここは……どこかの甲板のようだ。空は快晴、波の音が聞こえている。


本当に戦艦の上なのかもしれない。


「何が合ったんです? 過去へは行けたんですか?」


「おう、行けた行けた。地球にも行ってきた。もう行けないけどな」


「いろいろ大変だったんですぅ。聞くも涙……はあんまりでないですかねぇ?」


「でないな。知ってるか? 旧人類ってもう滅びてるんだぜ?」


キャプテンとアカ子はよくわからない事を言うが、なんだかいろいろあったらしい。


「はあ……アカ子、情報を送ってもらえますか?」


「データが多いですから、船の方に接続してからにしましょう。でも、ご主人様。これでとりあえず、大目標はクリアーですね」


アカ子の言葉に、キャプテンは頷く。


「ついでにこの星も、地球も救ったが、まあ良く出来た方だろ」


話に聞いていた分を推測すると、どうやら上手くはやったらしい……アカ子は続けてキャプテンに質問する。


「これからどうするんです?」


「あー……、王子の所に行っても良いし、天使の所でも良いな。ちょっと話をしておかないと、天使の方はこっちにちょっかい掛けてくるかもしれん」


「ですねぇ……血の気が多いですからね」


「だよな? 先輩ももうちょっとおとなしく作ってくれてりゃ良いのに……いや、わざとか。日記に悪く書くんじゃなかったな」


「どうなんでしょうね……ご主人様に嫌がらせでやったんじゃないですか?」


かもなと言いながら、キャプテンは肩をすくめる。


これまた、よくわからないが天使とは敵対関係に有るらしい。キャプテンは神様をあんまり信用していないから、それはそうなるのかもしれない。


「とりあえず、どうするのですか?」


私の言葉にキャプテンは青い空を見上げて、適当そうな笑顔を浮かべて呟いた。


「まあ、適当に行こう。とりあえず、飯の心配がしなくて良くしよう。の後は隠居だな! 映画と漫画とゲームはたらふく有る! だっはっはっはっはっ!」


キャプテンは楽しそうに腰に手を当てて笑う。


良いか悪いかはわからない。


とにもかくにもわからないけれど……私との約束をキャプテンが守ってくれたのは確からしい。


まあ、楽しそうなのは良い事なのだろうと私は思うことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ