表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第十八章『帰路』
752/775

母なる星を求めて(15)

3020年3月6日


一先ず現状の把握を行う。


半ば歴史に関する事になってしまったが、俺が地球を離れて二千年くらい経っている。俺にわかるように状況を説明されたら、歴史ものになってしまった。


地球の新人類が愉快な動物園になったのはかれこれ四百年ほど昔。


以外と最近と言うべきか、ずいぶん昔と言うべきかは迷う所だ。


俺が地球を離れて百年ほどで、人類への遺伝子改良に許可が出た。


これに関しては火星への移住が軌道に乗り……ゆくゆくは外宇宙へということで、

「人類はより強くならねばならない」という思想が強くなったからというのが、犬耳パパの説明だった。


ちなみに火星の人類は全滅……もとい、火星自体が爆発しているらしい。


なにがどうなりゃ、星が爆発するのか。


げんなりしていると、これも戦争が原因らしい。火星が独立を求めて、地球が反発。すったもんだで全面戦争。その後に爆発したそうだ。


これが俺が地球から出て五百年くらい。今から千五百年前の事だ。


この戦争が切っ掛けで遺伝子操作の規制が緩くなり、地球の愉快な動物園状態はますます加速。


人類誰もが何らかの遺伝子的なゆがみを持つようになり、弄くられた遺伝子が混ざりまくった結果……四百年ほど前に人間じゃない物が産まれて来てから、後は立て続けだったようだ。


旧人類と新人類の間には確執が生まれ、解決せぬまま一方が全滅と言う形で幕引き。


後にはご立派な機械政治が残され、民も王様もいない町は今日も元気に稼働しているらしい。


新人類の生存圏はごく小さく、人の遺伝子は余計に小さくなり、今では愉快な動物園だ。


犬耳パパの説明はそんな感じだった。


こっちに味方してほしいのだろう、説明には多少の意図が混ざっていたが……まあ、それはそれだ。仕方ないだろう。


現状、新人類の生活はほそぼそと生計を立てながら、どうにか保護区を出て、資源を回収と言う名の強奪……研究に研究を重ねて、ワームホールを通過できるであろう結界装置を作ったのが最近らしい。


どこの世の中にも天才ってのは居るらしい。


惑星ジェミニに関しては新人類達も驚いていた。ワームホールの先に俺が居ると言う情報以外は無いようなものだからな。犬耳を送り出すのも賭け以外の何者でもない。

加えて、俺の予測は一部当たったり、外れたりしていた。


機械政治側はやはり新しい決まり事や技術を作る事が出来ないようだ。ワームホールを越えてくる技術も生み出せない。


ワームホールに犬耳が入ったことで、機械政治側もワームホールに入った。だが犬耳パパ曰く結界装置無しで入るのは半ば無理らしい。それでも無理矢理入っていけば、たまには何とかなる。その多くが向こうで見た機械式ゴーレムと言う訳だ。


あちらさんはあちらさんで、目が見えないような状態でいろいろ苦労してたっぽい。


一先ず協力はすると約束して、しばらく休む事になった。


向こうからしても俺がやって来たのは驚きだったらしい。


いろいろ準備に時間がかかるそうだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ