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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第十八章『帰路』
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母なる星を求めて(9)

3020年3月1日


突入作戦を敢行する。地味に天下分け目と言うか、これが上手く行かないと、地球空の魔の手がジェミニ星を覆い尽くしてしまうと言う場面なのだが、俺の味方は怪獣だらけ、戦車には犬耳に、アカ子と女子供に見えるようなやつしかいない。


なんか、どっちが良いのか悪いのか、わからなくなりそうだな。


まあ、いいもん、わるいもんかなんて気にしてもしょうがないんだが……やっぱり良いもんでは有りたいような、そうでもないような。


俺は鍛え抜かれた一流の兵士達が、信念や正義を胸により大きな敵に立ち向かう……みたいなのが良いんだが、よくよく考えると俺自身が不良兵士だし、信念もへったくれも有りゃしない。


こっちの星の事は……ジェミニでは少しは関係のある奴等が居る。


アンリエードを始めとして、変態マスクに……今の無し、リンガーレイフォンとか? これもパッとしねぇな。オスマンさんはありか、世話になったし。ドーレスにも世話になったかな? まあ……思い出せるだけでも微妙な繋がりだ。


となると、アカ子とか、お舟とかになるんだろうが……俺がここで戦う直接的な理由

にはなってない気がする。


まぁ、なんとなく……雰囲気でってのが一番近いのかもしれない。


そんな理由で撃ったブラックホール弾が着弾。


ごそり海を削り取って消滅。


異常反応は特になく、タイムホールの無事を確認して。


そこからは元に戻ろうとする海水に波乗りしながら、怪獣軍団と機械軍団の肉弾バトルだ。


どうにかこうにか、海中に沈んでいるタイムホールに戦車ごと突入したが、地球側も海の中のようになっていた。


タイムホールを通るには結界装置が居る。


俺と犬耳の二台分で戦車は通り抜けたが敵の本拠地で戦車一台。


何も考えずに全力で火力をぶち込むしか無かった。しっちゃかめっちゃかになったが、タイムホールが合った敵の施設からは脱出に成功。


しっちゃかめっちゃかな中を犬耳の悲鳴を聞きながら、右へ左へ大騒ぎだ。正直夢中でなにやったか良く覚えてない。


そうとうむちゃしたせいで、戦車は移動の為の浮遊装置が半分ぶっ壊れた。右回りしか出来なくなった戦車はやむをえず、放棄せざるを得なかった。


人員は俺と、アカ子と犬耳。


持ち出せたのは俺が宇宙服に、連射型のブラスター。手榴弾八発。ナノマシーンのアンプルは三回分と心もとない。


悩んだが残っていたブラックホール弾を一発抱えて持って行く事にした。


信管を時限起動させれば、とっておきにはなるだろう。


アカ子は俺と同じタイプのブラスターと、弾薬。それと発電パネルだ。アカ子は直接戦闘には向いてない。


犬耳は気密服こそ持っていたが、筋力補助はない防御力はそこそこみたいだが、全面で殴り合いは無理。ブラスターもハンドガンタイプしか持てなかった。


食料を二人分持ってもらってるがそれで一杯一杯だ。


とりあえず、犬耳の仲間探しだ。犬耳の飯を考えると二日。俺が我慢して四日しか余裕が無い。


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