母なる星を求めて(1)
3020年2月23日
一大行事は終わって、帰って来たは帰って来たんだが……正直、地味というか。何が変わったと言う訳でもない。過去に行ったの俺だけだしな。
上手くいった……はずなんだが、月の接近自体は止まってない。
回りは俺がしくじったんじゃないかと話題騒然だ。まあ、可能性としては無い訳じゃないが、月がそう簡単に止まるもんじゃないだろ。多分。
とりあえず、近い方の危機は去ったはずだ。あとは地球からの侵攻を止めなきゃならん。
実際に止めなきゃならないかをアカ子と打ち合わせたが、そうしないとやはり殺される可能性が否めない。機械式ゴーレムは俺を避けてくれる訳じゃない。
「現状、機械式ゴーレムにこの星の人たちは対応できてない訳じゃないですけどぉ、外の様子を見るにじり貧ですぅ。人の数が少なくなったら、いろいろと生活は難しくなると思いますよぉ」とのことだ。頷ける部分も多い。
面倒だが、やはりこちらもやらねばならない。
今動けば天使達の援護も受けられる。犬耳の話が本当なら、地球側でも新人類と呼ぶべき人たちも戦っているらしいから、なんにしても早めの方が良かろう。
速めに動けばそれだけ俺にかかる労力は少なくなる……はずだ。もし万が一、仮にだが月が落っこちてくる場合もそうすれば地球で生きていられる可能性もあるし。
その場合はお舟とか、いろいろ諦める事になるので出来れば考えたくはないが、それでも考えておかねばならない。全く難儀だ。
最悪もう一度、過去に行く事も考えないと行けないのかもしれないが……、そうなったらめっちゃ気まずい。頼むよ、先輩。




