追いつめられて(29)
3020年2月19日
首都は結構、大事になっていてそこら中で大釜に水が煮詰められていた。
かなりの大事になっているらしい。
合流した王子達の話だと、天使達が説得して、学者の指示のもと動いているようだ。
学者はあのお化け発生機を天使達と弄っているらしい。
学者曰く、これはお化け発生装置ではなく、エーテルを大気中に集める……そのようなものらしい。
水の中にあるエーテルは厳密に言えば原子としても存在している。だが蒸発と共に大気へと霧散する……そうだ。よくわからん。
お化け発生装置はこの大気中のエーテルを集めて、視覚できるようにする装置……らしい。らしい、らしい。ばかりだが、正直、仕組み自体は俺にはわからないし、学者自身もどうしてそうなっているかはわかっていないようだ。
これを起動させて、町の至る所で煮詰めている水と反応させれば高濃度のエーテルの密集地帯が作れる……らしい。
そして先輩の公式から導き出した答えを元に、回路を組む。これはゴーレムと同じ技術で出来るようだ。これもまた大掛かりなもので、話だけ聞いて結局は合った事が無いゴーレムの専門家のひとが指揮をとっているとのことだ。
結局、俺が出来る事はそんなになさそうで、暇になってしまった。
まあ、上手く行くならそれにこした事は無い。
俺は計算式の答を届けた所でお役目ごめんだ。




