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追いつめられて(18)
3020年2月8日
朝、目が覚めるとちょうど朝日が上がる所だった。
どこまでも続く海の向こうの太陽は赤くて、海が黄色にキラキラしていて綺麗だった。
自然ってのは大したもんだなぁと思う。
柄にもなく、センチメンタルに浸っていると怪獣が血だらけの魚を咥えてやって来た。
全部台無しだ。
反応のあったポイントまで後一日……近いと言えば近い距離だ。
早くお舟の状態を確かめたい。
そんな事を考えるとなんだか落ち着かず、アカ子から呆れられた。
「ソワソワしないでください。いつも見たいにでーんと構えて、寝てたら良いじゃないですか」
毎日、ダラダラ寝てるみたいな言い草にこめかみの辺りを抓り上げてやる。悲鳴を上げていた。
これでも結構、頑張ってるんだ。理想を言えばもっとダラダラしたいくらいだ。
とはいえ、遠足ではしゃぐ子供みたいな真似をするのも格好がつかないので、寝ておいた。果報は寝て待てと言うからな。




