追いつめられて(16)
3020年2月6日
明日、明後日には怪獣と合流したい所だ。
アカ子の予測では上手い具合に引っかかるはずだが、不安は不安だ。
怪獣に探索させていたエリアは的外れと言う訳ではないはずで、これで発見しているのは大前提の部分だ。これで見つかってなかったら、正直手も足も出ない。
考え方の切り替えが必要になってくる。出来ればそうはしたくない。
特にする事もないので、アカ子と話していると犬耳がやって来た地球の話になった。
「大体二千年くらい未来ですから、約百世代ですね。計画が上手く行く六千年後も不明でしたけど、二千年でも結構変化するものなんですね」
とアカ子は言っていた。
俺としても不思議に思う。なぜ機械政治に逆戻りをしたのかもよくわからない。
もっとも機械政治から人間が政治を取り戻したのは革命の結果だから、なんだかんだで逆行しただけなのかもしれない。
少なくとも禁止されていた遺伝子操作は世間一般にも溢れるくらい出回っていたようだし、犬耳なんて明らかに他の生命体とのキメラだ。
肌の色とか、髪の色なんてレベルではない。昨日、今日ってことでも無いのだ。
ヘタすりゃ宇宙で生き残ってる純粋な地球人は俺一人かもしれない。
だからなんだと思わなくもないが、なんだかなぁ。俺が結婚しようと思えば、犬耳みたいな感じか、この星の背の高い人間か選ぶ事に成るんだろうか。
それはそれでなんだかなぁ……愛が有れば問題ないってもんなんだろうか。




