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アンタッチャブル(27)
3019年12月11日
「地球から来てるってことは無いでしょうか」
アカ子が不意にそう言ったので、目が点になる。
地球と百光年以上離れてるのに、なに言ってんだこいつ。と思ったら
「ワームホールが有るじゃないですか」だと。
思わず飲んでいたコーヒーもどきを吹き出した。ぶっかけられたアカ子は怒っていたが、構っている場合じゃない。
言われてみればそうだった。アカ子とお舟の事ばかりで、積み荷の事なんてこれっぽっちも覚えてなかった。
だがワームホールが生きてるなんて事、有るのか?
宇宙船は墜落したんだぞ?
しかしシステムとしては独立してたはずで……あり得る。全然あり得るぞ。
今の所、アカ子には秘密にしておくように言っているが、まずい。
この現状を俺たちのせいにされかねない。
天使達はアカ子には態度を軟化させているが、俺には非常に冷たいのだ。私罪で、死刑なんて事になれば韻を踏んでて素敵なんて事には出来ないぞ。
ちくしょう、まいったな。どうしたもんだ。




