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暗転(34)
3019年11月13日
処刑会場の準備が行われている。
観察する限り、どうも……首を吊る感じの仕掛けのようだ。
映画とかで見る絞首刑ってやつのようだ。ウェスタンっぽい。
町の中には俺を捜している兵隊の動きも有るが、こっちの逃げ足のほうが早い。
とはいえ、俺が町を出ていないこともバレているだろう。となれば……王子を救出に現れると思われているかもしれない。
目くらましに無人の家に火をつけて回る事も考えたが、それだと被害がどうなるかがわからない。出来ればスマートに行きたいもんだ。
王子を助ける代わりに、知らない誰かが火事で……なんて事になれば寝覚めが悪い。
まあ、妨害しようとする奴等には手加減が出来るかは怪しいが……それはそれと見切りをつけるしかない。




