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暗転(32)
3019年11月11日
学者達を発見する。
合ってみると、既に王子が捕まった事は知られていた。
「何をやってるんだ。まったく」
と呆れられたが、俺が悪い訳ではない。
王子の処刑は三日後の朝に広場で行われるらしい。
天使が現れたと言うのは結構な噂になってるらしかった。元々怪獣騒ぎだなんだで、見慣れないものを、見慣れていた……おかしな話だが、そうだった人たちはその話を信じているようだ。
しかし処刑を見せ物にするつもりだと知ってあぜんとなる。野蛮だ。
もっとも、文明のレベルを考えれば当然なのかもしれない。コロシアムもあるくらいだし。……コロシアムと言えば、あれが合った。
適当なボロの鎧でも仕入れてくる事にしよう。
学者達は、水を煮詰める作業を別の人間に依頼したりしていたようだ。
エーテルの濃い水を近づけると、お化けの反応が良くなったので、やはりなのか関係があるようだ。
これの効果を見てから、家に帰りたいとも思っていたが……どうにも無理そうだ。
一先ず、奪還の為に動こう。




