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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第十三章『戦場』
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暗転(18)

3019年10月27日


案外ぶん殴れば、事が済むことってのは多い。

口うるさい同僚であったり、手癖の悪い後輩だったり、自由の為には政府は要らないという革命家だったり、ちょっとした小物とかだ。


だがそれで済まない事ってのもある。


例えば落ち込んだ王子であるとかだ。


今日、襲撃が合ったが相手はデルフォースの奴等だった。


「生きる価値もない血筋だけのグズが! 浅ましくも亡命か!」


刺客の一人の言葉に王子は本気で落ち込んでいるらしい。


王家の誇りが欠片でもあるなら死ねとも刺客は言っていた。


捕虜の言う事には叫んだのは裏の世界の人間では無いらしい。正規の訓練をつんだ騎士らしい。


騎士と言うと身近に居た人間と言う事だ。顔を合わせた事も有るらしい。


その事もまたショックだったようだ。


厄介な事に、メンバーの全員が俺がなんとかすべきだと思っているらしので、俺が王子に話をする事になった。


死ぬべきだろうかと言う王子に、考え過ぎだと返事を返す。


小難しい理屈はしらんが、死ねと言われて死ぬのなんて馬鹿らしいじゃないかと俺は思う。殺しに来たならそりゃ、まあしょうがない。向こうの行動だ。


そうしたけりゃ、まあそう言う事もある。だが、そのまま素直に殺されないのも俺の自由だ。


だが死ねと言われて、「はい、そうですね」と死ななきゃならない道理が有るものか。


「たとえ、神様が死ねと言っても、てめえが間違ってると言ってやるのが男ってもんだ」


俺がそう言うと、王子は僕には出来ないと言う。


「だったらドンと構えて、てめえが死ねと言い返してやれ。殴れなくてもそれなら出来んだろ」というと王子は何とも言えない子供らしくない顔をしたので、とりあえず殴っておいた。


隠れてみていた連中が、なんで殴るんだと俺をなじって来たが、殴って治るかと思ったと言ったら、全員が殴って来た。


身長が低いからって舐めやがって、ちくしょう。


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