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進撃(65)
3019年10月5日
幽霊の存在が村人に不気味がられるので、「実はこれは奇術でございまして」と噓八百を並べ立てて誤摩化しつつ、必要なものを買ったりしていた。奇術のお代は結構というと、珍しいものを見せてくれたからとおまけも貰う。
全員から良くもまあそんなに口が回るものだと呆れられた。
この星にきてから、噓と腕力で生活して来たのだ。今更だ。
むしろその恩恵を受けたんだから。お礼の一つも言ってみろと言い返すとなんだか納得しかねていたが……俺だって納得しかねるってもんだ。




