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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第十三章『戦場』
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進撃(57)

3019年9月27日


幽霊は夜のほうが活発に動くのは定説だが、屋敷のお化けは別に活発でもない。


夜のほうが光っているので見やすいというのはあるのだが。


学者が観察するというので、結局は屋敷に泊まり込み。学者は対話やら反応やらを見る為に夜通しあれやこれやしていたようだが、反応は返ってこなかったそうだ。


ふと、お舟のホログラフィックに似ているように思ったのが始まりだった。


光っているし、実体がない。お舟もそんな感じだった。


抱きつこうとしてすり抜けたのを覚えている。


それにしては映写機が無いが……屋敷に有った布で壁や床などいろいろな場所を押さえてみるが反応がない。


だが空気の流れで、光が乱れるのは発見した。


「これ粒なのか?」と俺が学者に尋ねると、学者はそうだと頷く。


「なにかの発光する粒」だと言う事は学者にもわかったらしい。だが手で捕まえると、手応えは無く、消えて行く。食べてみたが味もしなかったそうだが、具合が悪くなったらしい。


無茶をするものだ。


だがその話を聞いて思う所も有った。


これはゴーレムを作ったときに水を煮詰めて作った”魔法のもと”に近いのでは無いかと言う閃きだ。あれは酸素に良く似ているという話だったから、高濃度を吸込めば気分も悪くなるだろう。


それを話してみると、学者はあり得ないと首を振った。魔法のもとは結晶にならないらしい。唯一が水として形を成すだけらしい。


よくわからん。魔法の元が気体以外になるには水素が居るという事なのだろう。たぶん。


いろいろ考えたが、わからなかったので屋敷を捜索してみたが何も見つからない。


ので壊すことにした。


学者は悲鳴を上げていたが、知った事ではない。


しかし、隠されていた地下で明らかに機械的なものが出て来たので、これまた学者が五月蝿い。


だが明らかに機械だ。


心無しかお化けも濃くなったような気がする。


三百年前の先輩のものなのだろうか?

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