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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第十三章『戦場』
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進撃(50)

3019年9月20日


手押し車で王子を運んでいると、特にやる事もないので話をする事になる。


話すのは主に王子の事だが、んまー爛れた……というか、だらけた生活を送っていたようだ。


正妻の一人息子。おおよそ、王様になるのは決まってる。


勉強もさせられるがいやだといえばお休み。お休みのほうが良いから、いやだと言う。そっからは勉強自体が暇つぶしでしかない。


わがままのし放題となれば、そりゃ簡単に馬鹿王子になる訳で。


ただ性質自体は悪い人間ではないと俺は思っている。と言うのも……王子は自分の意見をかなりあっさり引っ込める傾向にある。


言う空気になると黙るという選択肢が取れないようだ。


発言を求められるとyesかnoなのかをその場で明言してしまう。玉虫色というか、曖昧な発言はあまりでない。


なのでバカぽく見えるし、聞こえる。


そりゃ、判断材料が揃ってないのに判断すりゃ、間違える事はあたりまえだ。


育ちかたの問題なのか、元々頭が気の毒なのか、最初は判断がついていなかったが、どうやら前者が正解のようで、対応を覚えてからは多少は頭が良くなったように感じるようになった。


とはいえ、王様に向いてるかどうかで言えば向いてはなさそうだ。根が素直というか、騙されても実害の無い状況で生活して来たせいなのか、どうにもお人好しでもあるらしい。


俺から見た王子は、わがままで気が弱いという矛盾した側面を抱えているように思う。


難儀なものだが、一般人としても中々に苦労するだろう。


王様なんてとてもじゃないが勤まらないと思う。


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