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進撃(30)
3019年8月31日
田舎感の溢れる村に付いた。
宿を取って休む。久しぶりにお湯をたっぷり使えたのも大分助かる。
正直生き返る。飯もまともだし。
今後の予定を話し合うが、問題点は金の事、および移動経路だ。
爺やのおすすめのルートは街道を進み、別の国に入り、そこからリコウダー王国を目指すというものだ。地理関係を押さえながら話しあうが、無難ルートだ。金がないと言う最大の問題点を除けば、だが。
金を得る手段は話をした結果、強盗、窃盗、恐喝などの案が出た。
実に実りの無い話し合いだったと言えるだろう。
爺やにとって、王子を無事に亡命させ事が正義であり、そもそも国は王の所有物だという考えも合ってか、罪の意識は実になさそうだった。
大きな正義の前には、些細な悪事に思えているのだろう。
戦争の弊害だというのは簡単だが、頭のどこかがぶっ壊れたんだろう。
絶対王政を俺が甘く見てるだけなのかもしれんが……、モラルの話にはちと敏感にならざるを得ない。
かと言って、仕事を探すのも田舎では一苦労だ。どうしたもんか。




