進撃(25)
3019年8月26日
俺が物心ついたとき、母親は既におらず、一緒に暮らしていたのは親父だけだった。
親父が死んで、孤児になり、孤児院で世話になり……食いっぱぐれの無いであろう軍学校に入り、軍人になりロケットでぶっ飛んで、現在ここに居る。
波瀾万丈といえば、まあそうかもしれないが……。
それでも自分で選んで来た。孤児院に入った後、逃げるか逃げないかの選択肢で逃げないを選んだのも俺だし、軍学校に入ろうと思ったのだって、軍に入るのだって決めたのは俺だ。
全責任は俺にあるし、俺の人生は俺の為にある。今の所、配偶者も居ないし。
そう考えると、王子ってのは自分以外の人間にそれこそ人生の命運を多々握られているわけで、大変だと思えなくもない。
爺やが居ないときに、王子に話を聞いてみたがその辺に関してはあんまり考えては居なさそうだった。まあ、まだ子供だしな。
手持ちのカードが違えば戦い方も変わる。
俺の生まれと、王子の生まれでは考え方も違う。
実際の所、いろいろ面倒などだろうとは思うが、何が面倒なのかは具体的には知らない。
まあ、義理とはいえ兄弟に命を狙われてるのは気の毒だ。




