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刺客(52)
3019年8月1日
砦を確保した事は案外大きいらしかった。
わたわたと味方の出入りが日に日に多くなっている。
村で家を造る手伝いをしていた経験から言うと、人の住める住居を造るのは中々骨が折れる作業だ。
戦争中に必要だからと言って、建てるのはやはり難しいのだろう。
地球でもたまに建つとそれだけで逸話になっていたように思う。一夜城とかそんなのだ。
逆に言えばそれだけ珍しいのだろうと思う。
それと荷物運搬に味方のゴーレムがやって来たが、なんだかしょぼかった。
始め、ゴーレムと言うか、がらくたが壊れながら歩いてるのかと思ったくらいだ。
ガッタガタで、見るからに不安になる。
だがそれが普通のゴーレムらしい。変なゴーレムだなと言うと不思議そうな顔をされた。
人間以下の速度だが、人間より荷物が運べる。のがゴーレムらしい。
どうやら変態マスクのゴーレムが群を抜いてすごいらしいことがわかった。
家くらいのサイズのゴーレムの話をしたら鼻で笑われた。あり得ないそうだ。
それと殴り合いをした俺って一体……。




