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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第十二章『外敵』
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刺客(20)

3019年 6月29日


面倒ごとがやって来た。


宝石騎士がやって来たと、話を聞いてまたリンガーレイフォンが来たのかと、呆れていたが、実際に姿を見せたのは別の奴だった。


サラウンドという若い男だ。イケメンだ。村の女集はメロメロンになっている。


俺に会いに来たと言うので話を聞く事になった。


どっかであったことがあったかな? と思ったら、闘技場でぶっ飛ばした奴だ。でかい青い鎧を着ていて、投げ飛ばして勝った相手だった。


顔を見てなかったので、忘れてた。


話を聞けば”不幸な事故”に巻き込まれて、怪我をした為に前線から離れているらしい。


俺が投げたのがおそらく不幸な事故なんだろう。


サラウンドが言うには、一つ国を跨いだアシュテロンがリコウダー王国ってのに攻めて来ているらしい。


アシュテロンと言えば、船でこっちを攻めて来た奴等だ。


どうやら二つの方面で殴り合うつもりだったようだ。無茶をする。


今俺がいる国はデルフォース公国。


リコウダー王国はその親玉兼同盟のような関係らしい。


この二つは歴史上から見れば格上と格下になるが、現状の力関係はイーブンだ。


結構前に、ミリアお嬢がそんな事を言っていた。


まあ、そんなリコウダー王国は隣の隣国アシュテロンを攻めたので、デルフォースは援軍を出しているらしい。リンガーレイフォンもそっちに出向いているそうだ。


アシュテロンなら湾岸から攻めて来たぞと伝えると、サラウンドはえらく驚いてた。


宝石騎士が相次いで負傷したので、そこを狙われたのかと自分のふがいなさを嘆いていた。


原因は間違いなく俺だ。


「おのれ、ジェントルメン!」と言っていたから間違いあるまい。


名乗り出たら闇討ちされそうだ。あのとき顔を隠しといたのは良かったと言えるだろう。


そんなこんなで人手が足りないので、リンガーレイフォンの推薦で俺を呼びに来たらしい。


あの疫病娘め。よけいな事を……。


というか名指しで協力を求められるって、もうそれって宝石騎士なんじゃね? 


戦力として勘定されてるってことじゃないのか?


これで行って、活躍した日には確定してまうんじゃないのか?


とりあえず、返事は遅らせておく。


明日には返答しなければならない……どうしたもんか。


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