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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第十二章『外敵』
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刺客(9)

3019年 6月18日


村の片付けも大まかには済み、俺が手を出さなくても済むようになって来た。


後はアンリエードの負担が小さくなるように、徐々に手を引く算段で行こう。


天使こと、お化け二号の意外な……というか、任せそうな仕事ができた。


守衛だ。


お化け二号になってから、飛ぶ事を禁止して来たが、それ以外の身体能力も中々に高かったのが、子供達と遊んでいる姿から判明した。


そうなってくると、アクロバティックな動きをすると天使である事がバレかねない。


その為、お化け姿を強化する事にした。


いわゆる頭からすっぽり覆うシーツお化けから、着ぐるみへの転換である。


補助動力無しの強化服みたいなもんだと説明したのに、アカ子が張り切って作って出来上がって来たのはなんか……可愛い感じだった。


ぶさかわいいと言うべきか、いやあるいは安っぽいと言うべきか。


「良い仕事をしました」


とアカ子は鼻を膨らませていたが……どうなんだろうか。


普通に立たれると、鼻で笑うのだが、それが実にアクティブな動きをすると変な笑いが出そうになる。なんと言うか、外見と動きのギャップが激しい。


まあ、手合わせした感じだとかなりのもんだ。


着ぐるみで動きがわかりにくいのも面白い効果になっている気がする。


戦った印象は総合的にはリンガーレイフォンが上だが、光るものは感じた。


この星の先駆者である先輩は、監視者としてはそこそこに強化していたようだ。


遺伝子を激しく弄るのは今の地球では御法度だが、二十五世紀と言えば機械政治のまっただ中……当時の反政府勢力のゲリラが使用していたのは、安価な生物兵器であると聞いた事がある。


ワクチンを作るより、ウイルスを作るほうが簡単だと言うのは定説だが、決断が早いのに定評のある機械政治の前では無意味に等しい。


ウイルスの撒かれた区域は根絶やしにされるからだ。

そうなると肝心の機械を攻撃できない。


そんなこんなで生き物をいじくった兵器が出回る事になった。

パニック映画に出てくるようなそんな感じだ。


やっぱり知能のある兵器が便利なので人間がベースになったりしたらしい。機械政治が人間との混血を危惧した事で、根絶やしになったそうだが。


最も強引な手段による不満が後々の歴史に繋がって行くが……その当時の技術屋であったとするならば、むしろ非合法の遺伝子改造はお手の物だったのかもしれない。


こんな所までやって来て、地球もどきを作ろうとする人間だ。


おそらく先輩は反政府勢力だったのだろう。


反政府勢力が太陽系を脱出したなんて話は初めて聞いたが……他にもいるのだろうか。


あるいは先輩だけが、未知の元素を使った事で逃げ切れた可能性もある。


まあ、なんであれ、あるものは使わせてもらおう。


怪獣用の石の鎖も作りたいが……鍋は炊き出し用に使われてしまっている。


仕方が無い、防衛用に罠でも作るか。


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