表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第十章『王者』
410/775

ジェントルメン(8)

3019年 4月1日


地上げ屋の用心棒をぶっ飛ばした事で周辺の人たちが俺に用心棒になってほしいと言う。


思いがけぬ臨時収入だ。


「ジェントルメンさんだけが頼りなんです」


聞けば、王都はこの四年の平和で人口がずいぶんと増えてしまっているそうだ。


人の多く集まる場所はその分、仕事もその種類も多い。頷ける話だ。


しかしその分、治安は悪くなっているようだ。


元から居る奴、後から来た奴で揉めるのは良くある話だ。


宿屋がある周辺は治安がもともと悪い部分と、良い部分の商業築の間で最近勢いのあるマフィアに目を付けられてしまっているらしい。


マフィアと言うと映画でしか見た事無い。


ようは犯罪者の集団みたいな物だと思うが、映画では独自のルールが合ったりもした。仁義とかそんなのだ。


ぶっ飛ばしたら良いのだろうと思うが、あまり派手にやるとコロシアムで戦えなくなるかもしれない。それは困る。


なんにせよ。収入に余分が出来そうなので、とりあえず、一部の金をリンガーパパに支払いに行く。医療費としても全額払えている訳ではないが、支払うポーズをしておかないとどう思われるか判ったもんじゃない。


ついでに病気の様子を見に行く途中で、外で走り回っている双子を含めた子供ズが居た。


「あっ、旦那さんだ」


そう言いながら寄ってきた。


双子の額にそれぞれ手を当てて熱を測ると問題はなさそうだった。


体調を聞くと問題ないらしい。


一昨日から嘔吐もしてないようだ。下痢も無し。聞き出すときにデリカシーが無いと言われたが、体調管理にデリカシーもクソもあるか。


リンガーパパに金をさらに返却すると、「どこで稼いできたんだ」とかなり疑わしげな様子だった。傭兵家業でちと儲けたと話すと、「ならず者め」と蔑まれた。


職業に貴賤無しだと言いたかったが。

まあ、なんにせよ奴隷達は預かって貰わなくてはならない。後一週間くらいで全額払うと言うと、実にめんどくさそうに「早くしろ」と文句を言われた。踏み倒そうとしない分、褒めてもらいたいところだ。


廊下を不機嫌そうにのしのし歩いていたリンガーレイフォンをなんとかスルーして、食堂に母親ズを見に行く。


普通に三人で固まって芋の皮をむいていた。俺が姿を見せると驚いていた。


「急に居なくなったので騒ぎになってましたよ」


と教えてくれる。特にリンガーレイフォンは怒っているようだ。また上手いこと逃げたと思っているのだろう。そのまま逃げ切らせていただく。


軽く外で金を稼いでくる旨を説明し、しばらく待ってるように伝える。


母親ズは呆れた様子だったが、詳しいことは秘密だと言うとますます呆れた様子だった。


まあ、なんにしても頑張らなくてはならない。


今日のところは従来の鎧でコロシアムで戦った。


明日から戦いの形式が変わるらしい。金額も増えるそうなので都合がいい。


今晩と明日で鎧の改装をしなくてはならない。頑張ろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ