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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第十章『王者』
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ジェントルメン(3)

3019年 3月27日


コロシアムで一発当てる。


考え方自体は間違っていないはずだ。たぶん。


問題があるとすれば、俺の正体がばれないようにする事だろう。


俺とバレる要素は顔と身長だ。身長をなんとか誤摩化せれば何とかなる。

しかし解決案は既にある。竹馬だ。


子供の頃はかなり乗り回していた。幼年学校で身体強化の外部アシストを見せびらかしてきた同級生に勝つ為にいろいろ苦労した思い出がある。


どうやっても加速力に勝てずに、歩幅を大きくする事で対応しようとしたのだ。まあ、勝てなかったが。


その所為で当時は外部アシスト装置にすごく憧れていた。


高くてとてもじゃないが買ってもらえるような物ではなかった。


軍学校に入ったのも強化骨格を着ることが動機の一つだったように思う。


ものすごく着心地が悪くて、内部でゲロぶちまけたりもしたが……。


しかし竹を探しても売ってなかったので、木材で作ってみたが、特に問題は感じなかった。


多分重量には問題が出ているはずだが、筋力が向上しているのでなんの問題も無い。


竹馬を手で支える訳にも行かないので、靴に一体化させるのには苦労したがなんとか形に成った。


動きにも問題は無かった。昔取った杵柄という奴だろう。もしくはナノマシンで反射速度が上がっているので、対応しやすいのかもしれない。


問題は転けると大変になる事だが……まあ、最悪逆立ちで戦えば良い。


外装はくず鉄屋で壊れかけの鎧を安く買ってきた。


コロシアムが賑わう分、新しい鎧が売れるのだろう。そのおかげで必要な物を安く買う事が出来た。


どうにかこうにか形にすると、見かけは不格好だが姿は隠せるようになった。全体的に不気味で、がくがくしているが、動かす分には問題は無い。足に比べて腕が短いとか、足が異常に長いとか……そんな感じになったが、目標はクリアできている。


隙間も多いので、お金が入ったらもう少しマシにしようとは思うが……。


それを着てコロシアムの登録に向かうと、ヘルメットをかぶって顔を隠したままでも普通に登録できた。


不思議だったが、ヘルメットやマスクで顔を隠した奴はほかにも居て、どうやら傭兵家業で顔が潰れてしまった奴なども居るらしかった。


顔面は急所なので、もちろん狙われる事もあるのだろう。


それで死ねないことだって当然ある。なので顔を隠したりは別に問題がないようだ。その点は助かったと言えるだろう。


鎧や、コロシアムの登録で財布はすっからかんだ。


戦いは明日らしい。ご飯も食えないし、道場に帰ると鎧がばれかねないので野宿をするしか無い。


鎧を脱いで路地に座って町を眺めていると、物乞いと間違えられたのか小銭を投げられた。


拾ってパンを買って食べたが相当切ない。

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