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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第九章『従業員』
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従業員(29)

3019年 3月5日


団長の婆さんに宝石騎士加入の保留を申し込むと断られた。


加えて婆さんから実力が見たいと言われる。非常に厄介な申し出だが、ダメならどうなる? と訪ねると、難しい顔をして唸り始めた。


ダメなら宝石騎士にはなれないのだ。


「であれば、もし宝石騎士になれるなら、リンガーレイフォンとの婚約を認めても良い」


よくわからない事を同席していたリンガーパパが言い出した。


リンガーレイフォンは顔を引きつらせていた。

確実に誤解を解いてないのは目に見えた。ダメな奴め。


団長の婆さんは「ほう、そうなの?」みたいに驚いていた。報告を受けてなかったのか、それともボケているのかは不明だが、これで全力を出すだろうと言う雰囲気になってしまっていた。


俺が婚約を望んでいると思われたらしい。


つまり不合格だったら、宝石騎士の問題も、リンガーレイフォンの件も両方片がつくと言う事だ。


弟子の後始末をするのも悪くないだろう。


不合格に成る気満々で試験に臨むと対戦相手は団長の婆さんだった。


どでかい斧を持っている。なんでどいつもこいつも殺す気で掛かってくるんだろうか。状況に合わせた行動って奴があるだろうが。


手加減できないのは武士道と言う奴だろうか? なんにしても迷惑だ。


良い頃加減に反撃もせず、大仰にぶっ飛ばされてみたが、婆のくせに動きの切れが良い。


あの婆、遠慮無しに振り抜きやがった……手加減しろよ。


かなり高レベルな自滅だったと思う。裂傷は避けたが左手と肩と腹筋が非常に痛い。


ナノマシーンが骨を繋ぎ直している音がする。くそ。


病室で寝ているが、朝には手紙を残して逃げ出そう。情けないチキンは逃げるに限る。


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