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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第九章『従業員』
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従業員(28)

3019年 3月4日


宝石騎士のあれこれに詳しい人間が居ると言うので紹介してもらう。


事務方の人間で、眼鏡をかけた男だった。この星で初眼鏡だ。

むしろ眼鏡があるのに驚いた。


比較的、なよなよしているのも俺からすると珍しい。どっちかと言えば肉体労働系の仕事をしてきたので、かかわり合いになる事は無かった。


オスマンさんも肉体系ではないが、なよなよした印象は無かった。多分おっさんだからだろう。


顔立ちは地球でタイムマシーンの説明をしてくれたウァンナに似ている。あれもなよなよしてた。


剣術道場に居るとは思えないタイプだったが、聞けば血筋の関連で財務系のあれこれの事務をしているらしい。かなり大きい組織だから事務の仕事も多いのだろう。


宝石騎士のリンガーレイフォンも商人に名前を貸したりしているらしい。この道場もそうした資産運用の流れで存続できていると言うわけだ。


宝石騎士の優遇は金になる。


どうもこれは間違いないようだが、宝石騎士の活動そのものは金になるものではない。


基本的には治安維持、もしものときには戦争だ。


話を聞くだけでも面倒なのが判るくらいに、宝石騎士は国の作りの内側に存在しているようだ。だがその人数はわずか七人。


俺が知ってるのは団長の婆さんと、ガンドド、そしてリンガーレイフォンだ。俺が仲間入りして八人。


しょぼい人数だけに、優遇される割合も高い。


端的な目線で見れば宝石騎士に入るのは悪くない。金も稼ぎやすくなるし、国の力を借りてお舟の捜索もやりやすくなる。


お舟の捜索はまず見つける事が必要だが、その先を見据えれば引き上げるなり、運ぶなりの手段も必要になる。お舟が無事であれば……だが。


デメリットは俺の名前が売れる事だ。この国で八人しか居ない最大戦力の一人に名前を連ねる。


俺が外国の人間だったら、絶対この宝石騎士に手を出してくる。


勧誘か、暗殺か。あるいは嫌がらせか。そうなってくると、アカ子の存在が危なくなる。


しかし、勧誘を断っても俺の名前は一人歩きするかもしれない。


うーん、石鹸が売れる保証が無いのが辛い。売れないつもりも無いが、それが行き詰まったらアウトだ。


ダメでした。宝石騎士に入れて……では話が通らないだろう。


保留で話を通せないか、聞いてみるか。


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