表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第九章『従業員』
380/775

従業員(27)

3019年 3月3日


リンガーパパいわく、俺とリンガーレイフォンが恋仲であるらしい。体格差を考えてもらいたい。


何をどう勘違いしたんだと、呆れながら同意が欲しくてリンガーレイフォンを見ると露骨に目をそらしやがった。


問いつめると、リンガーレイフォンにはお見合い話がずいぶん来ているらしく、それを断る為に俺の名前を出したらしい。


リンガーレイフォンは顔だが十代後半。結婚適齢期でもある。実家も大きいので、そういう事もあるのだろう。ミリアお嬢も似たような年頃で、普通に結婚したわけだし。


さっさとしてしまった方が良いと思うが、コミュニケーションが上手い方ではないから、嫌なのだろう。


それにしても馬鹿をしたものだが、信じる方もどうかしている。

俺とではどう考えても無理がある。


「強さは絶対」


信じた理由はその一言で、一族揃って脳みそまで筋肉で出来ているらしい。


ゴリラ親父が俺を本気で潰そうとしてきた理由も何となく頷けた。


勝てばそれでおしまいなのだろう。


俺に弟子入りしたことも小さくはないようだったが、何処の馬の骨とも知れん男に娘を奪われてなるものか……と思われていたようだ。


ずいぶん愛されているが、当の本人は反発している。思春期と言うやつだろうが、俺はその辺に理解を示すつもりは無いので、脛を蹴り上げてやった。


呻いていたが、問題解決には繋がらない。


そうこうしている内に、宝石騎士の団長もやってきた。


これがまあ、どうやって生きてるんだと思うほどの婆さんで、喋れるのかな? と思ったらしっかり喋ってた。


さも当然のように俺が宝石騎士になる事を前提で話し始めたので、断ると目を丸くしていた。断るのはやはり変らしい。


いろいろと好条件は合ったが、心動かされたのは主に税金関係で、宝石騎士が商売をした場合減税になるそうだ。


普通、宝石騎士が望んで商売はしないが、商人に名前を貸す事は黙認されているらしい。


どうやら、商人と宝石騎士の間に関係を持たせておきたいようだ。


と言うのも、宝石騎士の給金がこの国では特別に高いわけではないからのようだ。

金の力でエースを保持しておくと、いざと言うときに敵に取られる可能性があるのを懸念しての事なのかもしれない。商人から金を受け取る分には国の財産は痛まない。


その他軍関係にある程度命令権が持てるらしい。お舟を探すのにも役に立つかもしれない。


代わりに宝石騎士は緊急時に対応する事が義務づけられる。


緊急時は戦いに限らず、災害なども入るようだ。ガンドドみたいな力持ちなら、戦い以外でも活躍できるだろう。俺も似たような働かせ方をされる気がする。


税金の掛かり方に関してもう少し聞きたかったが、婆さんは詳しくは知らなかった。


無駄な年の功だな。いろいろと考えたいので保留申請すると、怪訝な表情ながら通った。


明後日まで待つらしい。


リンガーレイフォンには誤解を解いておくように命じる。相当嫌がっていたが、身から出た錆というやつだ。同情には値しない。


従業員を早く雇いに行きたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ