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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第一章『旅立ち』
38/775

2890年(38)

2890年 4月12日


身体検査が行われる。

ナノマシンによる改造の違和感はほぼなくなった。だが、体の力が強すぎて困ることもある。


頭の感覚が、体に追いついてないのだ。

すぐ物を握りつぶしたりして、よろしくない。これでは日常生活に支障が出る。


世の中には、そう言う際『リミッタ』をかけるらしい。

そうする事で条件を口にすれば、力の出方を操作できるらしい。


一種の暗示のようなものだが、ナノマシンを連動させるので機械的な要素も強い。


単純に呪文を唱えてパワーアップだと思えば、確かにそっちの方が楽かもしれない。


リミット解除、百パーセント!! パワーアップ。かっこいいじゃないか。

強いボスみたいだ。私の限界はこんなものではないとか、言えるようになるのだ。


男の心をくすぐるすばらしい仕様だ。


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