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惑星ジェミニ物語  作者: 森山 銀杏
第九章『従業員』
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従業員(17)

3019年 2月21日


馬車が出発する時間になってもリンガーレイフォンが起きてこないので、様子を見に行くと体調不良でひっくり返っていた。


一昨日からの特訓で、疲れが出たのかもしれない。


この星の人間は病気をしないかと思っていたが、そんなわけは無かったと言う事か。

熱があるようで震えていた。意識はもうろう治しているようで、寒い寒いと繰り返していた。


鼻を拭ってやるだけで大分呼吸が楽になっているようだった。


何はともあれ呼吸に変な音が出ているわけでもなかったので、単なる疲労だと思われる。


この星独特の病気には思えない。


一応、宿の女将に相談すると、斑点の有無や顔色に関してなどいろいろ聞かれたが、そのどれも無かった。普通の風邪のようだ。


しばらく、冷したタオルを変えてやったり、濡れ手ぬぐいを部屋の中に干して湿度を上げたり、布団の枚数を増やしてやったりする。


夕方頃には熱も落ち着いて意識を取り戻した。ろくに動けない体でこちらを警戒していたが、熱が下がりはじめたのか汗をずいぶんかいているようだった。


女将にお願いして、汗を拭いてもらうように頼む。最初は渋っていたがチップを渡すとやってくれた。


その後、サービスで消化の良いものも作ってくれた。


部屋に運んで行ってやると、警戒心が少しは解けていた。どうもおばちゃんが俺が看病した事を言ったらしい。看病した形跡があり、おばちゃんじゃないなら誰だと言う話なので、言ってなくても察したのかもしれない。


リンガーレイフォンは勘が良い。昨日もそれで罠を何度か避けていた。


むろん、俺は避けた先に罠を仕込んだが……。


まあ、なんにせよ。警戒して食事をとらないと言う事はしなかった。正直助かる。


文句は言いたそうだったが、とりあえず、問答無用で寝かせておいた。


今日は様子を見ながら眠るとしよう。


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